蛍人(ほたるびと) | 梟霊のブログ

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絡み辛いこと必死
静かに、生暖かく見守ってください

蛍人(ほたるびと)
 
 
 
 
久しぶりの故郷は
いまだ解けぬ残雪が所々在りまして
吐く息も
白々と宙を舞うものです
思わずといえば
思わずなのですが
大きなクシャミをしまして
その後の静けさに
ぽつりと笑いを含めていました
相も変わらず
無人駅と言うものは
なんとなく悲しみを含んでおりまして
思い出ばかりが
ぞろぞろと列を成して
どこか行きの電車を待っているのであります
そんな半透明な記憶を眺めていると
熱く
熱く込上げてくる何かに
何度も腕を擦りつけ
いまだ受け入れられない現実に
不意打ちを食らったようです
なぜなら
もう・・・
愛すべき君の姿は
私の傍らにはなく
小さな
小さな
本当に小さなペンダントの中に
納まってしまいました
あぁ、君の笑っている姿も
声も温もりも・・・
瞳を閉じた先にしかないのですね・・・
溜め息交じりの
何気ない諦めは
私にとって
暗闇も同然
幾ら世間が明るかろうが
私の心は
身体の奥深くに閉じこもり
うらめしそうに見つめている
どうしたらよいのでしょう
君だったらどうするのでしょう・・・
そればかりでどこへも進まずに
ただ、暗がりに舞う
蛍のような君の思い出を
眺めている次第であります
 
カタンコトン
どうやら、来たようです
遠くから
なにやら硬い靴で地面でも叩いているような足音が
じっくりと近づいてくるのが判りました
一方
私は
足掻こうと空を見上げても
気がつけば福寿草を見つめている
目を閉じてしまえば
夢ばかりがゴロゴロと無造作に転がって
私を不思議そうに見上げてくるのです
何度も何度も
開いては閉じるペンダント
私は女々しいですかと
問いかけたところで
返ってくる言葉は
到着した
電車の扉から流れ出た
この駅の名前だけ・・・
虚しい、ものです
 
 
 
by幻想師キケロw