命、語り・・・
その死に様は
とても静かで
とても美しいものでした
真っ白な毛並みを靡かせて
風と戯れているように
錯覚させています
小さな子は
いまだその事実を
受け入れられず
目を泳がせては
私を見上げ問いかけてくるのです
ねぇ、動かないよ・・・、と・・・
その子は
ある日突然やってきました
元気よく走り回り
大きな声でよく鳴きました
小さな小さなその子が
家族になるまで
差ほど時間がかからず
我が家の暴れん坊と
競うかのように物を壊して回りました
叱っても
叱っても
柔らかな頭をアキレス腱の辺りに擦りつけ
甘えては
また、大きな音を
家中に響かせているのです
一年、二年
あっという間の時間
もうこれは
私が、お年寄りと呼ばれてしまうまで
続いてしまうのだろう
と、溜め息混じりに笑みを浮かべ
やんちゃな一匹と
無邪気な子供の背を眺めては
いやいや、やめてと
怒っていました
けれども・・・
ふと、目を離したある日
子供は、ぐったりとしたその子を抱きかかえ
走り寄ってきたのです
冗談だろう
それしか、言葉が浮かんで来なかったのです
その、余りにも一瞬で
【死んでいる】
と、理解してしまったから・・・
子供のように
この事実が、ゆっくりと理解できていったのなら
涙も直ぐに溢れてきたことでしょう・・・
でも
涙は、その子を
泣きじゃくる子供と
看取ってから
静かで、暗い部屋の中で
溢れてくるものでした
母の死を知っている
父の死を知っている
けれども
知っていても
流れてしまうものは
同じ
思い出と
寂しさ・・・
命は語る
命、語り・・・
冷たくなってから
温かく教えてくれる
誰よりも偉大な先生
命の言う呼び名の
見えない教師
夢の中で
一緒に遊んでみて解る
あぁ、本当に・・・
本当に、愛おしいものだったと
けれども
目が覚めて
教わってしまう
あぁ、本当に・・・
本当に、逝ってしまったのだと
朝陽を、眺めた窓辺から
あの子が眠る方角を見つめ
空に
描いた
青空に栄えるように
負けないように
心の中で
また、会おうね
と・・・
by幻想師キケロw
ペットでも、失ったときの涙は愛情を注いだ時より多いものなのでしょうか。
ふと、とある猫の本を見つめて
思い描いた詩です。