遠く、遠く・・・
空の中を
独りきりで飛んでいる
エンジンの音を、ずっとずっと遠くに感じながら
僕は、たった一つのボタンを
いとも簡単に押してしまった
くるくると
くるくると
縦一閃の黒煙を、目前に残し
消えていく
あぁ、なんて儚い輝きだろう・・・
そうやって
過ぎ去っていく時間と雲を
ぼんやりと眺めていた
空(から)の中を
独りきりで飛んでいる
風を切り裂く音を、遠くに感じながら
僕は、汗も掻かず
逃げている
進み行く方向へ
過ぎ去っていく弾丸が
まるで流れ星のように美しく見えてしまうのは
なぜだろう
キラキラと
きらきらと
横一閃に、流れていく
あぁ、これが終わりか・・・
あまりにも静かな青の世界
あまりにも美しい孤独な世界
幼い頃に夢見た希望が
夏の雲のように大きく膨らんで
やがて
遠く、遠く・・・
走り去っていくさまに、泣いた自分を
いったいどこに落としてきてしまったのだろう
あぁ、五月蝿いな・・・
今、思い出しそうなところなのに・・・
空と同じ
蒼い海を一点に見つめながら
僕は、瞳を閉じていった
by幻想師キケロw