風は僕の棺
幾度と無く見上げた空に
散って逝く僕の姿がある
すり抜ける風に
想いをはぜて
願う大地に裏切りの日々
どうにもならない時間と言う壁が押し迫り
僕は幻想の彼方へと
逃げ込むしかなかったのだ
けれども、心だけが逃げてしまって
体は今も現実(ここ)に在る
あぁ、どうしようもなく退屈だ
あぁ、どうしようもなくつまらない
月に問いかけても
太陽に聞いてみても
見つからないそれは
あの風に乗ったまま
どこまで行ったというのだ
ひょうひょうと笑い声を上げて
胸の中を通り抜ける
空っぽの体に満ちて
冷めていく温もりをこの手に感じ
僕の瞳は
在りもしない
姿を映し出す
安らかに眠るあれは
見間違うことも無い
僕自身だ
それを透明な棺に閉じ込めて
空を駆けているモノたちはいったい・・・
考えても
考えても
答えなど出てこない
説明できない
納得できない
僕が、僕を追いかけるなんてことが
在りうるこの事、事態が信じられず
遠くに逝く棺を見送ってしまった
結局は、答えすら諦めて
あの青空で塗りつぶしてしまった
あぁ、なんて卑怯なのだろう
あぁ、なんと滑稽なのだろう
やっと見つけた心を
掴むことすらできず
また、漂うことを選んでしまった
ため息が
雲となり
蒼穹の果てに飲み込まれてしまう
その現実に
涙する気力は
最早、残されてはいない
風は僕の棺
純粋さも
夢も
願いすら
重い蓋の内側にある
逃げ込んだ幻は
決してその手を離さず
永劫の眠りを僕に与えた
途方も無い時間と共に
それはもう帰ってくることは無い
現実に立つこの体が
偶然にも見つけ
開けてしまうまでは・・・
by幻想師キケロw