閉ざされていく世界
初めて好きだといわれた
でも・・・
僕の中にある時間は
目前に迫っている
どうしていいかわからず
とりあえずは
今このときを、楽しむことにした
笑うことを忘れた
僕の世界は
灰色の町並みそのもの
泣いても
楽しんでも
広がっている殺風景な色合いが
現実へ連れ戻す
そんな日々を過ごしていた
でも
君が現れてから
世界は
日が昇っていくように光が溢れ
嘘のように
鮮やかさを咲き誇らせていた
信じられなかった
感謝、の二文字だけでは
包みきれないこの想い
これが好き・・・?
愛するということかな?
時間が、無情の足音を響かせていることを
ふと思い出したとき
今の幸せが
恐怖に変わった
不安に打ちのめされた
もし・・・
僕の寿命というものが
人並みにあったなら・・・
そればかりが脳裏を巡り
僕の目線を空へ向けさせる
楽しい
大好き
別れたくない
もっと・・・
もっと一緒に居たい・・・
でも
それは叶わない夢
君が僕の元から去っていき
現実という言葉が
本当に憎いと思ったよ
僕の体が崩れはじめ
僕の中にある命が
口から吐き出されていく
白い部屋に横たわり
雀達が自由に飛び交う空を怨めしいと思う
ただ・・・
今をこうして穏やかに過ごせるのは
やっぱり
君のおかげなんだ・・・
ありがとう・・・
ありがとう・・・
最後に見た夢が
終わりを告げた
目覚めたそこには
不安そうに覗き込む母と
頭を抱えた父の姿
慌ただしく蠢く白い服の男女は
僕の頬を叩いたり
耳元で大声を上げたり
なんだか騒がしい
終りくらい静かにしてほしいと
思っていた
あぁ、考えたものより苦しくないものだな・・・
人生の最後というのは
ゆっくりと閉ざされていく世界で
君の名を叫んだ気がした
何故だかは解らない
多分、本当の気持ちを
伝えたかった、からじゃないかな
可笑しいよな
だって、もう・・・
会えないのに
なにかが止まって
あのモニターの波が
一本の線を描いた
その頃には
僕は、この世界には居ない
小高い丘
あの頃のことなんて
覚えては居ない
どうしてここにいるかも
どうして
後ろで女性が泣いているのかも
知らない
僕は
なんとなく此処に立ち
巡るときを
景色を眺め続けているのだから
だから
なぜと聞かれても
答えられない
でも一つだけ
理解したことがある
僕からは見ることができるのに
女性からは見ることができない
身体である、ということ
さて、どうしてこうなったのだろうな
ゆっくりと考えることにしよう
そのうちに
思い出すだろうさ
あらゆる理由を・・・
by幻想師キケロw
詩、見えない世界と対になってます。