架空人物
僕は
僕を創り上げる
守るために
攻撃するために
渡り歩くために
でもそれは
僕であると
はたして
言い切れるのだろうか・・・
時折
不安になる
いつもいつも
理想を演じ続けなければならず
両の目を閉じてしまえば
灰色の世界に
一人ぼっち
話す、その行為一つにしたって
張り詰めた糸に乗っているようで
どこか
気持ち悪さが付きまとう
あぁ、あぁ・・・
世界は
どうしてこんなに二面性なのだろう
と、悲しみに暮れる日々を過ごすことに
当然の運命と諦めてしまった
なぁ、未だ見ぬ恋人よ
こんな僕を受け入れてくれるほど
君は優しいのだろうか・・・
こんな僕を撫でてくれるほど
君は愚かだろうか・・・
在りもしない
幻想が人の形を成して
一人歩きを始め
それが
真っ暗な部屋に
奇妙な声と
幸せそうな笑い声を
響かせている
時間だけが
正確に前へ進む
いつしか何もかも失った
壊れた自分が
差し込んだ光の柱に
目を眩ませる
突如として
現実が降り立った
其処に突き刺さる
深い深い絶望という名の剣は
逃げたことへ報いなのか
自分から抜き放とうとしても
気色悪い感触と鈍い痛みが
邪魔をして
なかなか・・・
やがて、力尽き
ダラりと両手を、宙に浮かせてしまえば
何処かの書物に書かれた
架空人物と同じ最後
それが、可笑しくて
鼻で、クスリと笑った
最後まで眺めた
愚かだったと
後悔はするものの
それを反省という言葉に
置き換える間もなく
僕は、別人として旅に出た
もう、戻ることも無いであろう
長い
本当に長い旅に・・・
by幻想師キケロw