未来への一歩 | 梟霊のブログ

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適当に詩をUPします。
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とことん変り者なため・・・
絡み辛いこと必死
静かに、生暖かく見守ってください

未来への一歩
 
 
 
ひとり、歩く真っ白な雲の上
私だけ先に旅に出てしまった
あの頃の苦しみも
あなたへむけた苛立ちも
もう無い・・・
でも、孤独だけが
風と共に笑い声を上げる
清々しいまでの青い空は
今までのどの空より美しいけど
どうしてなの?
涙ばかりが零れ落ちる
これが寂しいというのかな・・・
 
怖かった
進むたびに
消えてイクことが見えていたから
あなたのこと
家族のこと
友達も私だけの秘密も
一枚、一枚
花びらのように散って逝く
身体で感じた世界も
心で感じた安らぎも
ひらひらと落ちていく
どんなに掬い取ろうとしても
触れることも
落ちていく先を変えることも
出来なかった
何も出来ない
何も出来ないよ
また、泣いた
ぽろぽろと泣き出した
 
―だから、進むことを止めた―
 
絶望だけが先で待っている
そう思えば
目の前に広がる美しい世界が
あざ笑っているように思えて
ついつい、睨みつけてしまう
うずくまり
そっぽを向いて
独り、残された思い出を繰り返し覗き込む
不安だったから
進んでいなくても
消えてしまうんじゃないだろうか、と
何気なく脳裏を通り過ぎた
そういえば・・・
 
―あの人は、あの子は元気にしているのかな・・・―
 
柔らかな雲?
それを掻き分ける
必死で
必死になって
そして、見つけた
なんてこと無い
真下に居た
あれからどれ位経ったのか解らないけど
少し、やつれていた
しわが眉間に渓谷を刻み付けるほどに・・・
とても大きくなっていた
驚くほどに綺麗に、元気に育っていた
私が居たころと変わらない
古いアパートから
手を振って・・・
ホントなら私も其処に居たはずなのに・・・
あぁ、どうしてここにいるの?
隙間から零れた涙・・・
その一粒がまっすぐに落ちていく
あなたのもとへ
あ・・・
私を見つめ微笑む姿が
飛び込んできたの
そして、泣かないでという言葉も
 
―驚いて、立ち上がって、見渡して―
 
嬉しかった
まだ、あの人の中に私がいる
あの子の中にきっと
私が居ると
届いたの?まさか・・・
でも・・・
もし、聞こえるのなら返事をして!!
祈り、すがるように祈った
 
=どうした?こんなところで・・・=
 
振り返れば知らない老人が見つめていた
 
―誰?―
 
恐る恐る尋ねるとa呆れた顔をされた
 
=待ってるといったから期待したんだが=
 
その老人は【あなた】だった
今、下にいるあなたと
今ここにいるあなた
頭の中が渦を巻く
 
==おかーさぁーん!ひどーい!==
 
また・・・
若く元気の声がした
お母さんと
でも、老婆・・・
え?誰?
 
=ほら、いつまでも立ち止まっていないで=
 
ぐいっと手を引かれた
 
==そうそう、いきましょ!==
 
ぐっと背中を押された
何がおきたのか判らず
瞳を力の限り閉じて
しゃがみこんだ
すると
 
==ほらぁ!母さんびっくりしてるじゃない==
 
=・・・。それもそうか。この格好じゃな=
 
==母さん、もう目を開けて大丈夫だよ!==
 
ゆっくりと視界を開いた
あの頃のままのあなたがいて
さっきまで下にいたあの子が
目の前で笑っていた
あぁ、あぁ・・・
二人の中へ
思わず
もう言葉にならない
嬉しい
もう一度会えた
全てを忘れてしまう前に
もう一度・・・
 
 
【さぁ、行こう】
でも進んだら思い出が消えてしまう
【大丈夫だよ】
でも、忘れたくない
【立ち止まっていても何もかわらない】
変わらないほうがいい
【えぇ~、私はもう一度お母さんになってもらいたい】
え?
【そういうことだ・・・】
え?え?
 
二人は、手を握って歩き出した
私はそれに引かれ
歩き出す
未だに抵抗がある
この二人は忘れることを怖くは無いのだろうか
そればかりが進むたびに波のように押し寄せる
でも、あなたの一言が
私を助け出す
 
=忘れることを恐れる。仕方が無い。でも、約束しただろう。
待っているから。未来でもう一度、今度は三人で、と=
 
思い出した
あの時の最後の言葉
私からあなたへ
この子へ告げた約束
とても安らかに落ちていった記憶
そして、安心して此処へきた事
そうだった
そうだった
 
==ああ!お父さん、母さん泣かせた!!==
 
=違う!何もしていない!=
 
==いーけないんだぁ!==
 
【ふふ、あはは。そうね。いーけないんだ!】
 
私の泣き顔を見て
あなたは慌てる姿が懐かしく可笑しい
でも今の涙はあたたかい
今の涙は嬉しい
そう、とっても
だから、引かれながら歩くことは
もう止め
今から踏み出す一歩こそ
これから先、未来へと進む
大事なもの
ただ、やっぱり進んでいくたびに
忘れていくのは怖い
ぎゅっと二人の手を握り締めて
真っ白になるその時まで
笑いながら歩いていく
だから・・・
 
―また、来世で―
 
=あぁ、必ず行くよ=
 
==お母さん!まってて、絶対ピンポイントで娘に生まれてくるから!==
 
ありがとう・・・
もう、あなたたちがいれば何もいらない
ありがとう・・・
最後の最後で忘れられるのが
あなたたちの顔でよかったわ
ありがとう・・・
最後の最後に笑顔で居させてくれて
ありがとう・・・
最後の最後まで一緒に居てくれて・・・
じゃあ、いくね?
 
 
 
――――
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「起きなさい!彼氏、外で待ってるわよ!!」
「うん!今いくから!もう、もっと早く起こしてよ・・・」
「あんたが起きなかっただけでしょうが!さぁ、早く!大事な約束したんでしょ!?」
「ちょ!なんでしってんのよ!」
「あんたの彼氏から!」
「はぁ!?・・・もう、秘密っていったのに・・・」
「ねーちゃんうるさい!早く行って!!」
「あぁ~もう!今いくってば!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「おめでとうございます。元気な女の子ですよ?」
「・・・・ふぅ、そう・・・やっと会えたね~・・・」
「ありがとう。お疲れさん・・・」
「えぇ、あなた・・・」
 
 
 
 
 
 
 
 
The end
 
 
 
 
by幻想師キケロw