黒猫の瞳
長く伸びる影は
道の真ん中に座り込む
クロネコ
主人の帰りをひたすらにまち
その瞳を
黄金に潤目かせる
ひとりぼっちの寂しさなど
彼にはないのだろうか
ふらり、ふらりと
スラリと伸びた尾っぽを
揺らめかせ
一点を眺める
その瞳と同じ
金色の夕日を
赤赤と燃ゆる空
車など、来るはずのない
忘れられた道
いつ、誰かが約束したのだろうか
私が近づこうとも
振り向くことはない
私が、光り輝く毛並みを撫でようと
見上げることはない
ふわりとあくびをしても
知らぬふりを貫き
背に伸びた月を跨ぐ
なんとも、例えようのない貫禄
その体のどこから
湧きいでているのだろうか
星、一つ二つ
この道はもう暗い
彼の姿など
闇に隠れ
見える訳もない
しかしながら、いるのだ
そこに
鋭く月明かりを反射して
クロネコは
今も一点を見つめている
お節介かもしれないが
私は、抱き上げて
明日、また来ようなと言い聞かせ
帰路についたのだ
彼は大人しく
まるで理解しているかのように
頷くように
鳴いた
その瞳は、どこか嬉しそうで
その瞳は、銀色に輝いていた・・・
byとあるどこかのキケロ