空の箱庭
部屋に一人
明かりもつけずに
だらりと寄りかかって座っている
僕は、もう、何もしたくない
いや、したくないのではなく
する気力がない
何をしたいのか
何をすべきなのかも
考えたくもない
ただ、死にたいと思う
それだけ・・・・
どんなに頑張ろうと
才能の有る人には叶わない
どんなに意気込もうと
上に伝わらなければ
意味がない
首を切られ、そこで終わる
絶望だけが
蓄積し、躰を蝕む毒となる
悲しみでいくら外に出そうとも
それ以上に、積み重なっていく世界で
疲れはててしまった
諦めてしまった
どうすることもできず
バシャバシャと社会という湖で
足掻ききったあげく
沈んでいく心
だから・・・・
だから・・・
どうしよう・・・
無気力だ・・・
不意に目に止まった
スリープ状態のパソコン
のっそりと起き上がり
ボタンを押した
そこには、作ったままで
ほったらかしのブログがあった
何もせず、何も考えず
一文字
一文字を
描いていった
するとどうだろう
空っぽになったはずの空間を
満たしていくかのように
何かが起り始めた
何が起きたかなんて
知らない
気が付けば
僕の両手が
ものすごい速度で
言葉を刻み
言葉を紡ぎ
何か得体のしれない
結晶を創り上げていたのだから・・・
そこから始まる物語
僕が僕ではなく
もう一人の主人公となって
歩み始める
君は誰?
僕は君だよ
僕は誰?
君は君だよ
信じられなくて
受け入れられなくて
なんども
なんども否定したけど
それでも
進む言葉の道を
僕は、止めることができなかった
そう
その光景は
カラカラに干枯らびた心の箱庭に
空の箱庭に
水が、溢れ出し
満ちていくような
染み込んでくるような
不思議な感覚
気が付けば
誰かが隣にいて
その先へ指を指していた
僕は、その誰かへ会釈をして
走り出した
見ず知らずの人が向こう側にいる
遠いどこかにいる
その人へ、僕の一文字を届ける
いつの間にか、使命のようなものを感じた
でも・・・・
ふと思い留まり
振り返った
あの
輝く誰かは
もう、居なくなっていた・・・
どうすればいいのか
また、わからなくなった
このエンターキーを
一度、押してしまえば
いいだけなのにね・・・
迷ったんだ。
その一瞬だけ・・・
だけど直ぐ押したさ
そうでもしないと
変われないような気がしたから―
by4年前のキケロ