君は君として、そこに君臨す
私の優柔不断な心を
宙を舞う蝶に例えるのなら
君は
巨大な翼で影を落とす
美しき鳥なのだろう
太陽の光に包まれ
風と戯れながら
花と過ごすことを
君は許さない
只の一匹でさえ
容赦なく
その鋭い嘴の中に
飲み込んでしまうのだろう
私の喜怒哀楽の感情を
生命の営みに例えるのなら
君は
冷たい雨から我が子を守る
優しき母なのだろう
風に切り刻まれようと
天に見放されようと
慈愛に満ちた瞳で
我が子を羽の下で
包み込む
君自身が傷つき疲れていようとも
すべての力をもって
守り切ってしまうのだろう
巣立っていくその時まで
あぁ、なんと美しい
あぁ、なんと美しい
私のこころと躰を
君は釘付けにしてしまう
どうしてだろう
心臓が張り裂けそうになるのに
健気な姿を見ると
どうしても抱きしめていたくなる
恋に焦る心など
とうに忘れて
獣が理性を保ち続ける・・・
君は君として、そこに君臨す
太陽に愛され
月に愛され
大地に
天に
愛されて
今
触れ得ぬ存在として
私のもとを去っていく
未だ漂うクレマチスの香りだけを
私の前へ残し
君は逝ってしまう
止めたくとも
留めたくとも
出来るはずも無く
すり抜ける君の体と
私の涙が
儚い夢の欠片となって
散っていく
さらさらと音を立てるかのように
夢、幻であったなら
どんなに素晴らしいことだろう
でも、これが現実
君はもう居ない
あの輝かしい時、姿のまま
残りを生きていく私の糧となり
支えとなっている
君はそんな私へ
優しき眼差しを送り続ける
まるで神様か何かのように
微笑んでいるのだろう
by追憶のラファエル
クレマチス:花言葉
美しい 高潔 心の美
美しい 高潔 心の美