歯車
カチコチ・・・
カチコチ・・・
回る廻る
僕の鼓動
キシキシ
ギチギチ
廻る回る
僕のココロ
チクタク・・・
チクタク・・・
回る巡る
僕の想い
いったい、僕の見たものは
どこに焼き付くのだろう
いったい、僕の聞いたものは
どこに刻まれるのだろう
いったい、僕の味わった想いは
何処へしまわれるのだろう
人が言う頭だというのなら
どうしてこんなにも
胸が痛いのだろう
人が言う心臓だというのなら
どうしてこんなにも
揺れ動くのだろう
君という歯車を見失っただけで
僕はこんなにも
こんなにも
脆く、弱くなってしまうというのに
時間は振り向かず
世界は待ってはくれない
あぁ・・・
どうすれば・・・
僕という人形は
君という存在を失って
歯車を一つなくした
潤滑に動いていた手足は硬くなり
やわらかに描いていた表情がこわばった
慌てて無くしたものを探そうとすればするほど
大事な歯車はこぼれ落ち
消えていく
最後には
空っぽになった外殻だけが取り残されて
僕は僕でなくなってしまう・・・
後悔した
生まれて初めて
後悔を覚えた
気がついた
大切なものを失って
僕は、気がついた
この不安が、悲しみが、怒りが
この苦しみが、痛みが、羨むことが
君を愛していたという証明になっていたのだということに・・・
思い出ばかりがグルグルと巡り
後悔ばかりが口から溢れ出る
俯いて見上げて、また俯いて
ふと目をやった
君との思い出に
はっとする
ぽっかりと空いた
僕という空洞に
幼稚な文字で刻まれた君の名前が
赤赤と浮かび上がり
僕自身が誰のものだったのかを
思い知らされた・・・
by木偶人形のキケロ