境界の翼
僕が立つこの陸の見えない泉は
黒く、黒く湧き続けている
均一にまっ平で
真っ黒なのに空を素のまま映し出している
鏡のように
うつむく僕の顔を覗き込んでいる
僕が手を上に伸ばせば
映し身は下に手を伸ばし
正反対の方向を見る
それは、まるで
堕天と聖天の羽のように
心を分かち
光と闇の僕に成る
でもね?
ここにいる僕は一人だけ
二人もいないんだ
ひとつの体に二つのこころ・・・
狭い、息苦しい
だから僕らは、他人から見えないところで
常に奪い合いの日々を送る
争い続ける
白黒を付けようと傷つけ合うんだ
そのたびに、壊れていく魂が悲鳴をあげて
その声が何かを貫いて
僕を他人へと変えていく
いつしか透き通る泉に
僕は立ったとき
そこに立つ姿は同じもの
空は何処までも蒼く
泉は何処までも透き通る
ただ、そこに映し出された
二色の翼を付けた僕に
宙は不快感を示していた
泉は不愉快そうに佇む
その境界に僕を閉じ込めているくせに
こんな姿にしたくせに
関係ないように
何も知らなかったかのように
冷たい眼差しを向ける
あぁ、どうして、有りの侭を受け入れることが
罪と呼ばれなければならないのか・・・
そう、嘆き心の中で泣いた僕は
体の中心で別れた翼を
境界の翼を羽ばたかせ
見えない明日を探し始めた
自分だけの世界を求めて・・・
byキケロw