炎上の人
私は歩く
闇の中をゆらゆらと
歩く
どこまであるのか分からぬ闇を
恐ることも
愛でることもなく
私は、歩き続ける
一片【ひとひら】の火の粉が舞い降りて叫んだ
君の背に燃える炎はなんだ、と・・・
私は振り向いた
だが、そこに炎はなく
気が付けば私自身が炎となり燃えていた
火の粉は叫ぶ
その背に背負う者はなんだ、と・・・
瞳を閉じて耳を澄ました

その炎の中から声が聞こえる
その渦巻く執念は、現世の未練
いつの間にか闇の中で掻き集めた欠片たち
あぁ、私は、この中で朽ちていくのか
底知れぬ快楽と不快が入り交じる
冷たい炎の中で
瞳を開き
一粒の涙を流した
気がつくと語りかけていた
胸に手を当てて・・
炎よ、荒ぶる炎よ
苦しみの中で私を焦がし
憎しみの中で私を灰にする
燃え盛る黒き炎よ
お前の想いを、私もまた燃やしてやろう
ゆっくりと闇夜を照らす灯火になれるように
ゆっくりと光を分けてあげよう
だから、遠慮はいらない
心置きなく
迷いなどなく
ただ、燃やすがいい
その願いと共に私の体も心も焦がすがいい
私もまた、躊躇わないだろう
お前の暗闇を光で満たすまで
お前の想いの全てを燃やし続けるだろう
私は歩く
身体中に纏う黒炎に焦がされながら
微笑みながら歩く
いつかこの闇が
彼ら自身の光で照らされると信じているから
私は、歩き続ける
この夜の果てに向かって
byキケロw