オーブ【桜舞】
春も終わり
最後の花びらが
はらり、ほろりと舞い落ちた
きらきらと輝く木漏れ日が
思い出と共に
僕の胸の奥底を覗き込む
【一瞬の夢】
あの思い出を救い上げようとする
僕は・・・
そんな悪戯好きの光をそっと
手で遮った
なんてことの無い日常
代わり映えしない風景
うつむいた大人たちの町
気がつかないうちに
僕も染まっていた
誰も気がつかない
ひとつのパーツとして組み込まれ
誰かがはずしてくれないかと
シラナイ他人に期待する
冬のおわり
亀のようにガウンの中に縮こまった
ゆらゆらと迷宮のように漂う
何もする気力もなく
クーラーの下に座り込んだ
テレビの向こうでは
僕が過ぎ去った青春を
今、満喫する若人の姿
はぁっとため息をついて
消した
夏の中心
海も川もギラギラと暑い
風香る小川
誰もいない散歩道を
鼻歌交じりに何処へでも
やや膨らむ桜の蕾に
うつむいた君の姿
すれ違った始まりの春
一言もなくお辞儀しただけ
それなのに・・・
いつしか咲き出す桜たち
君と歩く同じ場所
笑い合ったあの下で
やさしい日差しにもたれながら
互いの夢を交換する
ときに怒り、ときに泣いた
どこまでも広がる淡い香り
それが
終わると知っていても
僕は、君といたかった
いつしか消えた君の影
花びらだけが落ちていく
はらり、ほろり、ひらり、ほろり
夢に旅立った君を
僕は、約束と共に見送った
大きな音が、別れの言葉をかき消す
でも
しっかりと抱きしめた
だから
今僕は、思い出と共に散る花びらを
しっかりと見つめる
きっとどこかで同じものを見ている君を
しっているから
いつかきっと
また会えるから
どっと風が吹いた
花びらが渦を巻き空に舞い上がった
春も終わり
最後の花びらが
はらり、ほろりと舞い落ちた
きらきらと輝く木漏れ日が
思い出と共に
僕の胸の奥底を覗き込む
【一瞬の夢】
あの思い出を救い上げようとする
僕は・・・
そんな悪戯好きの光をそっと
手で遮った
そして、僕も歩き出した