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オオカミ絵日記

故郷を離れ、人間の世界で人に化けて生活することになったオオカミの絵日記。
(このお話はフィクションです。なおかつ適当にお話を後から変えてしまう場合があります。
「おいおい前読んだ時と話が違うじゃないか!」などと怒らないでください。)

オオカミの世界はとても単純。
人間の世界は複雑。

道をただ歩いているだけで面白いことがたくさんある。
おかげでオレは散歩が日課になってしまった。

今日もオレは散歩をしていた。
ドン!っと大きな音がして振り向くと、
犬が車にはねられて倒れていた。

はねた車はそのままどこかへと走り去った。
オレは散歩を続けようとした。

その時、はねられた犬に一人の若い女性が走り寄り、
「すみません!誰か! この子(犬のこと)を病院に運びたいんです!誰か!手伝ってください!」
と叫んだ。


廻りの人は皆関わりを避けるように早足で通り過ぎていたが、オレはその女性に近づき、
「私が手伝いましょう。」と言った。

その女性は自分でも犬を飼っているらしく、動物病院の場所を知っていた。
幸いにもすぐ近くにあったその病院にオレたちは犬を運び込んだ。

正直言うと、オレは少し感動していた。
見ず知らずの、それも自分たちとは全く違う生き物のためにここまで出来る人間が居ると思っていなかったのだ。
人間の愛というのは奥が深い。

女性は、仕事があるからと、犬の治療を病院にまかせ、自分の連絡先と、とりあえずのお金を残し、オレと一緒に病院を出た。

そして感動の余韻が残るオレは、散歩がてら近くの駅まで女性を送ることにして、二人で歩いていた。

するとまた、ドン!っという音がして振り向くと、
今度はネコがはねられていた。
オレが、
「助けに行きましょう。」と言うと。
女性は、
「ごめんなさい。ネコは苦手なの。じゃあここで。」
と言って駅の方へ去っていった。

人間の愛というのは本当に奥が深い。

オレの方はというと、人間らしく振舞うためにネコのもとへと歩いて行った。