森のオオカミ都会へ行く。 | オオカミ絵日記

オオカミ絵日記

故郷を離れ、人間の世界で人に化けて生活することになったオオカミの絵日記。
(このお話はフィクションです。なおかつ適当にお話を後から変えてしまう場合があります。
「おいおい前読んだ時と話が違うじゃないか!」などと怒らないでください。)

オレが住んでいた森は「オオカミの森」と呼ばれ、オレも含め、たくさんのオオカミたちがそこそこ楽しく暮らしていた。



でも何が狂ったのか、仲間たちが病気になって次々と死んでいった。
オレは特別なオオカミだったので病気にはならなかったが、このままここに居てはやばいと思い、森を捨て、他の世界で暮らすことにした。
「中途半端に逃げると災いにつかまってしまう。」という昔からのオオカミの教えに従って、オレははるか遠く、人間たちの世界に逃げることにした。

オレは人間の姿に変装し、4畳半一間の部屋を借りると、まず図書館へ通うことにした。
なんと言ってもまずは色々な知識を仕入れない事には話しにならないからだ。
オレは特別なオオカミだから字が読めるのだ。
だがネットで知識を得られるほどには特別でないのだった。



図書館はあらゆる知識の泉だ。
そこでオレは色々な本を読んでいくうちに「小説家」というものになろうと決意した。
なぜって、人間の世界でみながやっている「労働」という中で、唯一自分にも出来そうと思ったからだ。

さっそくオレは森に住むオオカミが、自然を破壊する人間どもを懲らしめる話を書くと、意気揚々出版社に持ち込んだ。



担当になった若い編集者は「面白いんだけどねぇ~。いまどきこんな土臭い話は受けないんだよねぇ~。もっとスタイリッシュなものが受けるんだよ。」
と斜め上から見下してた。

その夜、オレはオオカミの姿に戻り、その編集者の家に行った。
もちろん思い知らせてやるためだ。
そっと忍び込み、そして・・・。

ガブッ!
「ギャ~!」



いや~気持ち良い!やっぱり肉に噛み付くのは最高だ。
オレは血の匂いに少しハイになって叫びながら夜の街を駆け回った。
明け方近くに家へ帰るとグッスリ寝た。

お昼くらいに腹が減って目が覚めると、昨日の編集者から電話がかかってきて、また会いたいというので、どうしたもんかと思ったが、とりあえず会いに行った。

奴は松葉杖をつきながら表れた。(大げさな奴だ)
「あなたの作品ですが、私の手で是非出版させてください!」
と熱く言うので、どうしたのか聞いた。
すると、昨日の夜、巨大なオオカミの神様が夢枕に立ち、「思いあがった人間どもに自然の偉大さを知らしめるのがお前の使命だ。それなのにお前は土臭いなどと言いおって!懲らしめてやる!」
と言われたそうな。
足の怪我はそのとき神様に懲らしめられたものなんだと。

ま、本にしてくれるって言うんだから文句はない。
「宜しく。」
と言って契約成立だ。
余談だが、彼はこの仕事を機に敏腕編集者と呼ばれるようになっていくのだった。