実は、母の葬儀の後に、今後の遺産相続にも関わると思い、二人の兄にここの土地の現在の状況を説明しました。
説明はしましたが、結局、遺産配分は当初の予定どおりにすることになり、この家と借地権は私が相続することになりました。
この家と土地の借地権の半分は既に私が所有していましたから、まあ、そうなるだろうとは思っていたのですけどね。
ですから、兄たちにはこの家と土地に関する権利はありませんから、本来ならば話をする必要もなかったのですが、自分が生まれ育った場所なので、多少なりとも愛着はあるでしょうから、相続しなくても私が勝手に売却したりすれば、何を言ってくるかわかりませんので、とにかく状況の説明だけはしました。
特に何かをしてもらおうとは思っていませんでした。
そうしたところ、長兄が「Hとの話し合いの時に立ち会ってほしいのならば、一緒に立ち会う。」と言って来ました。
一緒に立ち会ってもらったところで、話の内容に変化はないだろうとは思ったのですが、私に対して太々しい態度を取るHにムカついていましたので、男である長兄も一緒に立ち会うことで少しでも対応が変わるのであればと思い、「相続協議中で誰がここの借地権を相続するのか決まっていないから」という名目で、立ち会ってもらうことにしました。
実際誰が相続するかは決まっていましたが、「遺産相続協議書」作成中でしたから、全くの噓と言うわけでもありません。
そういうわけで、Hからの「今後について話し合いたい」という電話の時に、私以外に1名の相続人が立ち会うことを話し、Hは了承しました。
Hは了承したものの、本当は嫌だったのか、自分が決めた約束時間の20分も前にやってきました。
通常ならば、時間を決めて約束しているのですから早く着きすぎたとしても、5分程度ならいざ知らず、目的地の周辺で時間をつぶして、時間に合わせて訪問するのが当たり前なのに、20分も早く着て、私が嫌みを込めて「早いですね。まだ約束の時間まで20分もありますよ。」と言っても、「早く着いちゃったから。」と悪びれた様子も見せませんでした。
そのうえ、私が「どうぞ」とも言わないうちから、早く家に入りたい素振りをしてきました。
4月に抵抗なく玄関内に入れてしまったのがいけなかったのかもしれません。
たぶん、私以外の人が来る前に話を進めてしまおうと目論んでいたのでしょうが、長兄も約束時間の15分前に来ましたので、Hの目論見は失敗しました。
さて、どんな話をしてくることやら…。
続く