ジャンル:ドタバタ
あらすじ(背表紙から):
'I live on a farm near a village. I have lived there all my life.
It's a very small village.
There's nothing to do there.
There isn't even a cinema.'
'I work for my father during the week.
At the weekend, I do nothing.
One day I'll leave home.
One weekend - I don't know when.'
面白さ:★
※以下、結末まで話します。嫌な方は見ないでください。
- Marco/Mike Esplen
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内容:
平日は父の桃をつくる農場で働き、休日も何もすることがないようなさびしい村で、平凡な毎日を送っていたマルコは、ある土曜日、電車に乗って町に出かけることにしました。
それほど金を持っていないマルコは、無賃乗車で町へ行くも、改札につかまりそうになり、大部分の金が入ったバッグを落としながら、駅員の前から逃げ出し、なんとか市街にたどり着きます。
町は、マルコのつまらない日常をかき消してくれるような華々しさがありますが、皆がマルコに見せる目は冷たく、さらにケーキショップの前で出会った可愛いんだけどみすぼらしい格好をしている女性には騙されて、危うく警察に捕まりそうにもなります。
腹が減ったマルコを助ける人もおらず、あるフルーツショップで、自分のつくった桃を見つけますが、店員は当然マルコにはタダでは桃はあげません。
そんな彼を助けたのはカルロ。
彼は、マルコの父の桃を市場へと運ぶ車の運転手。
カルロは、マルコに桃をあげ、金がないマルコを家に送ってあげようとします。
そんなカルロの温かさや、普段は感じることのなかった桃の芳香や美味しい味に気づくのです。
日々、何も変わることのない、しかし落ち着く家に帰ったマルコ。
何もないが、それが良いと感じるのでした。
感想:
別に無賃乗車しなくてもいいでしょう
出だしがこんなんだから、マルコは自分勝手な嫌なやつに思えて仕方ありませんでした。
市場のくだりだって、自分の育てた桃だからと言ってタダで食べて良いわけないじゃんか。
この小説は、マルコを通して、田舎の良さ・都会の冷たさをテーマの一つにもってこようとしているんでしょうが、それならば、
たとえば、
マルコは切符を買ったんだけど、切符をなくしてしまった。しかし、駅員は頑として信じてくれなかった。
となれば、なんとなしに都会の冷たさが分かると思うんですがねぇ