LINEの着信音が聞こえる
昔を思い出しちゃったな、かっこわり。
「ちゃんとしてる人なら高卒でもいいと思ってるし、1番はフィーリングだよ!」
「フィーリング?」
「趣味も合うしわたしと一緒で絶叫系の乗り物が大好きだったり、アニメも同じやつ大好きなんだよ!」
「すげぇじゃん、付き合ってどのくらいだっけ?」
「まだ1ヶ月だよ!でも1ヶ月には見えないくらい仲良いんだ!」
でも、デートプランだけ聞くと男目線だと「キメてやろう」みたいな感じするよ、大丈夫か?
聞きたいけど、聞けねぇな。
嫌われるのが嫌だっていうか、なんて言うんだろうな。
「じゃあ、ここ座っていいですか?」
「どうぞどうぞ!」来てくれると思ってなかったのか、彼もどことなくソワソワしてる
「しつれーしまーす!」僕の正面の椅子に座る彼女の手には水筒とピンクのお弁当が
「あら、いつも自分で作ってるんですか?」弁当を指差し僕が聞く
「いやいや、いつもはおにぎりだけ作ってくるんですけど今日はたまたま早起きしちゃってお弁当作ってきたんですよ」彼女が答える
「でもすごい!料理とかできるんですね」「いやいや、ほとんど冷凍ものですよ!」
彼女の仕草がいちいち可愛く見えてしょうがない。
僕と彼女の会話を聞きながら彼はニヤニヤが止まらない
後で聞いたら「なんか、緊張が顔に出てましたよ、なんか面白くって」
こっちは必死だっつーの、必死だったっつーの。
3人で本当にたわいもない会話ばっかりしていた気がする
店長がどうだの、学校がどうだの他のバイトの人がどーだのって
まぁ、本当に楽しかったんだけど、僕はね。
盛り上がってる時、彼が一言
「今度3人で遊びに行きましょうよ!」
まじかよ・・・、断られたらどーすんの?
「あぁいいですね!私遊園地が大好きなんで、富士急とかいきたいです!」
・・・・、ええ!!意外とノリノリだよ!
思わず顔を見合わせるふたり
「じゃあ、今度いついくか決めないとですね!」彼が乗っかる
「そうですね、また話しましょう!」
彼が休憩時間が本当にあと数分なのを彼女は察していたのか
会話の区切るタイミングを作ってくれた
「それじゃあまた、後で!」彼は僕に頑張れと言わんばかりの顔をしていた。
「はいよー!」「またねー」手を振る僕と彼女
・・・・・・、数秒の沈黙のあと
こんなチャンスはないよなって思って、どんどん話しかけた
もしかしたら彼女は僕たちの会話に合わせて遊びに行くとか言ってくれたのかも
そもそも、同じテーブルに招いたのは迷惑だったのかな?
色々考えたけど、今この30分を大切にしたかった
こんなことってなかったし、フリーターになってからドキドキすることなかったし。
彼女の弁当は、本当女の子って感じ
卵焼きにタコさんウインナーにサラダにちっちゃいおにぎりみたいな
こんな、作ってもらえたらなって思ったし、んなことねーよなって思ったし。
僕たちの休憩時間もあと数分になった
「めっちゃ楽しかったです!呼んでくれてありがとうございます!」
彼女の言葉が嬉しかった、考えすぎな僕にに光がさすような・・・言いすぎか。
「いえいえ!明日も3人一緒だからかぶるといいね!」僕も笑顔で返した
彼女は笑顔で更衣室に向かった
僕も更衣室に入り、紅茶花伝をロッカーに入れた
夢のようだったな、あの1時間
明日あんのかな、あの1時間。
カウンターに戻ると彼が近寄ってきた
「意外とノリノリでしたね」
「いい子だよな、まじで遊びに行く予定立ててみようぜ」
すぐに彼女もカウンターに来た
「さっきはどうも」なぜか僕はよそよそしい
「いえいえ、明日もかぶるといいですね!ほんとに遊びに行きましょうよ!」
「だね!」
次の日、3人とも休憩がかぶることはなかった
「どうしよっか」僕が彼に聞く
「今日終わったらしばらく会えないですよ、LINEのIDとか聞いてみたらいいんじゃないですか?」
「そんな難易度高いこと要求すんなよ!昨日の飯誘ったのが精一杯だって」
「ええ~・・・まじっすかぁ」
バイトが終わるまであと1時間でカウンターに3人で並んだ
彼女、彼、僕といった感じで並んでいて
彼女と彼が喋るけど自分は喋らない、本当に度胸がない。
彼女と彼が話しているのはなんとなくわかっていたけど、バイトだし
入ったとこで何話せばいいかわかんないから、接客に集中していた。
肩をポンポンって叩かれた、彼女がこっちを見ている
「はいっ、もしよかったら連絡しましょうよ!」彼女の手にはLINEのIDが書かれた紙が
彼も同じ紙を持っていた、驚いた顔をしていた
「おお、ありがと!後で連絡します」精一杯の返答だった、嬉しかった。
出来すぎでしょ、いやまあ、嬉しいんだけど。
家に帰ると、まず彼がグループを作っていた、速いやつだ。
僕もグループに入れてもらって、最後に彼女が入ってきた
彼女のプロフィールには大好きと聞いていたアニメのキャラが
「これは、なんかモテない女って感じがしますよね」彼の言葉に
「ん、どうなんでしょーか、ってか向こうから連絡渡してくれたんだし、もしかしたらいないのかもね」
「いなそうですね」結局恋人がいるかどうかまだ聞けてないわけだから
そこから3人でラインでやり取りすることがほぼ毎日あった、1人1人とLINEもやってたし3人でも連絡をとっていた。
バイトが終わって午後8時くらいかな
「お疲れ様です!今日は忙しかったですか?」彼女からLINEが来ていた
「いや、忙しくなかったよ!もう夏も終わりそうだし、家族連れもいなかったし」
3人で遊びに行く話は、LINEを交換してから1ヶ月後
今の時点ではあと2週間後に迫っていた、最初は富士急になっていたのだが
「第2回があるように」と、車で30分くらいの割と栄えている街でカラオケオールすることになった
「そういえばさ、男と遊びに行って彼氏にはなんか言われないの?」
その場の話の流れっていうか、どうしても聞いてみたくて突っ込んでみた
10分くらいしてから
「あれ?私彼氏がいるなんていいましたっけ?」
「え?彼氏いないの?」
「どっちにみえます?私に彼氏がいるかいないか」
・・・・・・、どういうことなんだ。