その名は、サー・アレックス・ファーガソン。
香川真司も所属するイングランドの強豪、マンチェスターユナイテッドの監督です。
その在任期間はなんと、27年。その間の勝率はなんと6割。
そして彼の後任として発表されたのが、、、
そう、デイビット・モイーズです。
彼はエバートンFC(わからない人はリバプールの永遠のライバルと覚えておこう!)の監督を12年つとめた、こちらもプレミアリーグが誇る名将。
そんな2人には、一つの共通点があります。何かわかりますか?
それは、「スコットランド出身」であるということです。
思えばファーガソンと並び(もしくはそれ以上に)、ユナイテッドファンから敬意を抱かれ続けている監督、サー・マット・バスビーもスコットランド出身でした。
ユナイテッドを強豪・常勝へと導いた2人の名将、そして新時代を築くべく呼ばれた若き知将。彼らが皆スコットランド出身というのは偶然なのか、それとも・・・・。
(もしかすると、過去の成功経験からユナイテッドには「スコットランド信仰」のようなものがあるのかもしれませんね)
そんな「スコットランド出身」の監督たちを紹介したまさに旬の本があったので、Tifosi読書部(非公式)部長(自称)の辻井が紹介したいと思います(・∀・)
名将の軌跡 名サッカー監督はスコットランドから生まれる/ソフトバンククリエイティブ
はい、この本です。
内容を簡単に言ってしますと、「我がスコットランド出身の監督がいかに偉大か」ということを筆者がドヤ顔で400ページ弱にわたり語るというもの。
あまりに賛美されすぎて、おいおいと思うところもなくはないですが・・・(^_^;)
それをも気にさせない骨太の内容でした。
(ウォルター・スミスやマクリーシュなどの話にページをさいてくれるとか・・・イギリスサッカー好きからすれば鳥肌ものだろ(ノ゚ο゚)ノ)
当然ファーガソンについては、「スコットランドが生んだ四大名将」として大きく取り上げられていますが、
(ちなみに残り3人は、マット・バスビー、ジョック・ステイン、ビル・シャンクリー。知らない人はしっかりググろう!←)
特筆したいのは、モイーズについてもしっかりと記述があるということ。
エバートン時代の戦術やマネジメントについては、以前より雑誌などでときどき話題になりますが、生い立ちや気質などといったより深いパーソナリティの部分に迫ったのは、日本語の本ではこれが今のところおそらく唯一。
ユナイテッドの監督に就任したこともあり、今後日本でも「モイーズとは何者か?」と、彼に迫った記事というのは多数出てくると思います。
ただ、そういう記事に限って下調べが不十分のまま掲載されることもままあるので、しっかりこの本で予備知識を蓄え情報に振り回されないようにしましょう(´・ω・`)(あくまでも一部の記事です!いい記事もいっぱいありますよ!)
これで本の紹介は終わりなのですが、それに関連してもう一つ。
モイーズの他に、次期監督候補として挙がっていた人物に現レアルマドリー監督のモウリーニョがいましたね。
ポルトガル人の彼が指導者ライセンスを取るために研修先として選んだのは、なんとスコットランドのラーグス。
このラーグスという地は、指導者を志すスコットランド人は必ず通うと言っていいほど有名な研修地。
もちろんファーガソンやモイーズも、若き日には自らの研修へ、そして指導者として名を馳せた後には講師としてこのラーグスに関わっています。
そしてファーガソンとモウリーニョは、直接対決後2人でワインを飲みかわしサッカーについて語り合うほどの仲。
怒りの余り、試合後の記者会見をファーガソンが欠席したCLの試合の日の後でさえもモウリーニョとは自分のオフィスでワイングラス片手に仲良く歓談したとか。
もしかするとファーガソンは、ラーグスでスコットランド流コーチングの薫陶を受けたモウリーニョを「同郷の後輩」のように思っているのかもしれません。
最近のモウリーニョの言動や行為は、様々な物議をかもしています。むしろ批判のほうが多いように見受けられます。
しかしそれでもなお、モウリーニョはファーガソンと同じく名将であるという評価には何ら変わりないと僕は思っています。(というか個人的にモウリーニョは大好きな監督の一人です)
それに「飽くなき勝利への執念」に関してこの2人の右に出る者は、現役監督の中にはいないのではないでしょうか。
一人のサッカーファンとして、勝利への執念をむき出しにしたこの2人の熱い対決がもう見られないと思うと残念でなりません。