アメリカでは医療費は自由に価格を決めることができます。そのため、高所得者は高額な最先端の医療を受けることができます。しかし、低所得者は満足に医療を受けることができません。
アメリカでは薬の価格も自由に価格を決めることができます。オーストラリアは米国との自由貿易協定(FTA)で税負担で薬価を抑える制度を見直させられました。米韓FTAにおいても、「韓国政府が決定した薬価、及び医薬品の認可」に対し、アメリカの製薬 企業が「薬価が安い!」と不服を訴える機関の設置が盛り込まれました。
アメリカには公的医療保険がありません。ですから10割負担となるためバカ高い民間の保険に入ることになります。しかし、低所得者は保険に入れません。アメリカでは無保険者が5000万人いると言われています。その人達は医療を受けることすらできないのです。
アメリカは他国を自国と同じ制度に変えさせ自国の企業が利益をあげれるようにしようとしているのです。
USTRの報告書、及び米豪FTA、米韓FTAの事例を見る限り、アメリカは「公的医療制度」あるいは「政府による薬価調整」の「改革」を日本に求めてくる可能性が濃厚です。医療費や薬価の規制撤廃を求めてくるでしょう。
日本で、医療費や薬価の規制撤廃になるとおそらく、地方の病院は経営が成り立たなくなり無くなります。診療も普通診療だけでは経営が成り立たなくなり医療費が高騰します。そうなると最終的に国民皆保険が解体となっていく可能性があります。医師会はそれを懸念しているわけです。医療がサービスからビジネスに変わってしまうのです。
日本の医療費対GDP比率はそれほど高くなく、かつ医療費公的支出対GDP比率は他国並です。日本国民は、今のところ医療費のために極端な支出をする必要がないという素晴らしい社会を維持しています。ちなみに、05年時点のWHOによる健康達成総合評価 において、世界一となったのはどこの国だかご存知でしょうか。何を隠そう、日本なのです。日本は平均寿命、 健康寿命、乳児死亡率の全ての面において世界最高となり、健康達成総合評価において文句なしの金メダルに輝きました。
日本の医療制度を世界一に維持しているのは、現場の 医療サービスに従事する方々の献身的な努力と、「政府の規制」なのです。それすらも、TPP推進派に言わせれば「これではアメリカ企業がビジネスを展開しにくい! 規制を撤廃するべきだ」という話になってしまうわけです。
