はい。

色々あります、少年団サッカー。


今回は、バーンアウト症候群について。


自分の現役時代を振り返ってみると
まさしく、それだったかもしれません。

練習に勤しみ、しかし、報われなくなった。毎回ベンチ暮らし。サッカーゴールのネット掛け、後片付け、ボール磨き、それでも、最初は、いつか、いつか、見てろよ、と、個人練したわけですが、評価は変わらず、、で、ついに挫折しました。

その後、ずーっと、サッカーボールを蹴らなくなりました。事実上、私は高校で現役引退でした。


さて、
今回は、スポーツ選手本人だけでなく、
よくある"むっちゃ熱いお父さん"にも起きてしまったバーンアウト症候群を紹介したい。


選手A君は、息子と同じ学年のチームメイト、同じ時期に入団してから、彼らはとても仲良しである。

A君のお父さんBさんは、私と同じ現役経験があり、その当時のお話をお聞きして私なんかより、かなり、立派な実績がある方でした。

私よりも一回りは、いや、ふた回り大きく、相当なフィジカルプレイを現役時代、示していただろう、立派な体型。笑

イメージは麻也、あるいはルカク。笑笑

とにかくサッカーが大好き。息子がサッカーを始めた事を私同様に喜んでいた、と、思う。

私同様に、父コーチに早々に着任、審判資格も取り、毎回の練習にも参加、息子たちの試合になれば、
猛烈にごっつい本格的一眼レフカメラで、撮影、試合ビデオも毎回必ず撮影して、後で、SNSに配信してくれる。

父兄役員だって率先してやってくれていた!
私でさえビビるくらいの、まさしく、
情熱とは、かく示すべし!を体現した親御さんの鑑のような方でした。

お父さんと、違ってA君は、とっても小柄であり、一学年下の子?と、思うくらいに、華奢な体躯でありました。
そして、A君は、足技は、そこそこありますが、相手からチャージを受けたり、タックルされるようなフィジカルコンタクトをことさら、恐れてしまうような、可愛い感じのプレイスタイル。それもそうだ、と、思わずにいられない。

ここから、お父上Bさんが
A君に
"ごらぁあ!何を、ちまちまやっとんじゃ〜、もっと当たらんかい!
もっと体入れていけ!"
と愛のオーバーコーチングが頻回となりました。

それだけでなく、
お父さんBさん、と、A君のサッカーへの温度差は、ウチの家庭どころではない、
事あるごとに、Bさんが練習時、試合中にも息子をダメ出し、していく。泣

つまり、

昔だったら、普通だったかもしれない、
完全なる"昭和"巨人の星を彷彿させる
ハードコアトレーナーなのでした。

息子たちのチームは、大変仲がよく、これらは、父たちにも波及効果があるのか、
我々はよく、お父さんたち限定飲み会も開催した。
私にとってBさんは、お互いのバカ親ぶりを笑いあいました。
現役時代同じチームメイトだったら、必ず大親友になっただろう、ナイスガイです。

結局飲み会での会話はいかに、息子たちを強化するか、に帰結していくのですが、笑

Bさんは、何度か
"我が息子が不甲斐なくて、辛い、
自分の息子だとは最初思えないくらいに小柄で、、、自分は子供の頃からデカかったから、こういう体格の面で悩んだ事なんて、なかったんです。はあぁ、小学生だと、やはり、デカイ子は、有利なんだよな〜、、これでは、息子はスタメンに選ばれないだろうな、、、。"



"A君は、今は小柄かもしれないが、
BさんのDNAを受け継いでいるんだから、
多分、中学、高校あたりで、一気に背が伸び、かなり、デカく化けるはずだよ、
まあ、今は見守るのが一番だよね。"

Bさん
"なんかな〜、私はいつもスタメンだったし、地区では大体いつも優勝したし、
ユースチームにも参加してたのに、、
な、何故なんでしょう、、"





こういう話は今までも沢山ありましたね。

巨人軍、長嶋茂雄氏の息子、一茂さんは、
父ほどの偉大な業績は、作れなかった。

IT野村監督の息子さんも、
プロとして残念ながら大成できなかった。

青森山田高の監督の実子は、選手としては、活躍できず、プロにもなれなかった。

ベッカムの長男はサッカーを選ばなかった。

ジダンの息子はまずまず、プロで頑張っているが、まだ、親父と、同じ土俵には、上がれていない。それも無理もないのだ。

偉大なる父の二世が親ほどに、
成功できるほうが、まず普通ではない。

それくらいに、偉大な父を持つ二世は

辛い、


辛いのだ。



ウサインボルトの子が、将来
同じように最速世界記録を出せるのか?


メッシの、ロナウドの、ネイマールの
息子たちが、20年後、親と同様にバロンドールを受賞してしまうような展開になるだろうか?

そうなるならば、もはや、歌舞伎の世界みたいに、世襲制で、プロ養成した方が最短で、偉大なる選手が生まれるはずなんだが。



息子は、父の複製ではない。

別人格でもある。

私も常に自分に言い聞かせる
戒めの言葉である。


この会話の数ヶ月後、

突然に、Bさんは、
練習にも、試合にも、来なくなって
しまいました。

近所で、偶然、お会いした際、


"最近いらっしゃらないから心配してました。お元気でしたか?"

Bさんは

"あまりにも私がAに対して厳しくトレーニングし過ぎたのと、、私も彼を見ていてどうも歯痒くて、歯痒くて、。

それと、、、Aから先日、
言われたんです。

もう、お父さんは、見にこないで!って。"







非常に悲しい展開です。


息子を愛するがゆえに、フルサポートで
頑張りに頑張ってきた父が、
その愛する息子に拒絶されて
しまうなんて、、、泣



それ以来、Bさんは、
一切、当チームに顔を見せなくなりました。

幸いに、
A君は、今も、当チームで、その明るいムードメイカーとして、コーチ、他の親御さんたちからも愛されています。

スタメンに、なかなか選ばれない事もあるけど、楽しんでいるようです。



私はまた、いつかBさんが
当チームの試合応援に
帰って来てくれる日まで、

彼の代わりにカメラマンと、ビデオクルーとしても、子供たちの成長を記録していこうと思うのでした。

A君がリトルメッシのようになるかもしれない。

急激に背が伸びてやがてBとうさんのようなルカクのような体に成長していくかも、。

ディズニー映画、
"みにくいアヒルの子、"を

Bさんに今こそ見てほしいと、思います。


time will tell