「体育の日だから福生駅から文字でマラソンをしてみる」
福生駅から赤線通りへ。
火事の跡も生々しいお店を横目に坂をのぼる。
ラテン系のおじさんの白い歯を覗かせた笑顔。
露出の強い東アジア系の女性の疲れた顔。
しかしまだ1Kmも走ってないのにそれ以上に疲れた僕の顔。
さらに直進してから東福生駅を正面に見て右手に折れる。
ちょっと行くと右の路地には老舗のライブハウス「UZU」がある。
ちょっとだけUZUにタッチしてその路地を折り返し、
踏み切りを越える。
そのまままっすぐ行けば横田基地沿いの道。
16号だ。
この道沿いにはアメリカンなお店が多くて、
眺めるだけでも楽しい。
だけど、たいして走ってもないのに僕は疲労困憊。
大好きな楽器屋の「スリーシスターズ」やアメリカン雑貨屋の「BIG MAMA」にもなかなか顔を出せていないなと思いつつ、走って通過。
通過で思い出せたけど、この横田基地沿いのお店はアメリカの通貨が使えたりするお店も多い。
ああ、もうダメだ、疲れた。
もう走れない。
意識が朦朧とする。。
体が自然と左に向かう。
そう、横田基地だ。
フラフラになりながら何故か、
銃をもった衛兵のいる場所へ走っていく。
「フリーズ!」
衛兵が大声で叫ぶ。
僕はもはや何も耳に入らない。
「フリーズ!!!」
さらに衛兵は大声で叫び銃をかまえる。
(こんな場面、映画で観たな~)
なんて呑気なことを考えながら僕は進む。
足は千鳥足。
次の瞬間、銃声とともに衛兵の銃が火を吹いた。
鳥たちが慌てて飛び立つ。
木が揺れる。
体育の日にちょっとマラソンをしようとしただけなのに、
僕は気づけば天国まで走ってきてしまったようだ。
新聞には好き勝手書かれることだろう。
近所の人は「普通の人でした。挨拶をすれば返してくれましたし。」
みたいなコメントをしてくれるかな。
いつかそんなこともあるかもしれないから、先にブログを書いておきます。
ハッピー体育の日。
Gt三四郎