「なんだこの1日は(後編)」Vo.恒吉
前回のあらすじ!
『ヤンキーの喧嘩をぐうの音が出ないくらい超中途半端に止めた恒吉は乗り換えた電車に居たおばちゃんが食べ始めたオニギリ臭にもなんとかオエオエしつつも打ち勝ち、さらりと打ち合わせと飲み会を済ませ無事に帰りの電車に乗り込んだのだった。
しかし!そこで出会ったのは、けっこー混んでいる車内にも関わらず1人ごとをブツブツ言いつつシャドーボクシングを始めた見た目はピシッと決めたサラリーマン。
さて恒吉の偽善者ぶりは彼を止められるのか!!?』
本編スタート。
わー。すっごい周りから人居なくなってるじゃん。
そのシャドーボクシングサラリーマンの近くにいたおばあちゃんなんか怖がっちゃってるし。でもけっこー混んでるからあんまり遠ざけきれてないし。
んーつーか。一旦たんま。
「シャドーボクシングサラリーマン」名前が長いから略そう。
シャボリーマン。そう呼ぶ事に決めたよ。
そのシャボリーマンの前に座っているのは綺麗なOLさん風の女性で、やっぱり怖がっていたんだけれど立てない。
そりゃあ前でシュッシュシュッシュされてたら女の人は怖いし立ち上がりづらいよなあ。
あれ?これは。
おいしいパート2ではないか。
ここでこのシャボリーマンを止めたら!このOL風の女性から「助かりました!連絡先聞いてもいいですか?」っていうドラマチックな展開も無くはない!横にいるおばあちゃんも「ありがとうねえ。はい、お礼」って諭吉さんを渡してくるかもしれない。もちろん一度は断る!しかしおばあちゃんは「とっといてー」
「じゃあ、どうも。かたじけない。」
みたいになるかもしれない。
最悪、このシャドーボクシングサラリーマンに殴られても、がっぽり慰謝料を、、、お、おいしい。
またしても不純極まりない紫色なのか茶色なのかよくわからん色した恒吉の心が変な感じに燃え上がり立ち上がった!
恒吉「あのー。怖いと思いますよー」
シャボリーマン (無視)
恒吉「あのー、けっこー迷惑っす」
シャボリーマン(無視)
あれ、なんかムカついてきたな。
恒吉「絶対聞こえてるでしょー?つーか駅員さん呼んじゃうよ?いーのか、おい」
すると大絶叫し始めたサラリーマン。
シャボリーマン「なんだよー!!!おめー!!!友達気取りかああああ!!!!」
恒吉「と、友達!!笑笑 俺の友達で電車の中でシャドーボクシングキメるやついないから笑笑」
シャボリーマン「うぜえんだよおおおー!!!死ね!!!クソチビ!!!クソチビ!!!!クソチビ!!!クソチビぃー!!!!」クソチビに関しては×20くらいの大絶叫。
や、やばい。
OLさんに好かれおばあちゃんからは感謝の諭吉が繰り出され、他の乗客からは拍手喝采されるくらいの計画が今破綻しようとしている。
それどころか彼を覚醒させてしまい、さっきよりも拍車をかけて大絶叫で叫ぶし、「迷惑シャドーボクシングモンスター」から「超ウルトラ迷惑絶叫シャドーボクシングモンスター」に育てあげてしまった!!!
恒吉「しーっ!とりあえず、しーっ!うるさいよ!チビは認めるから!!!」
シャボリーマン「せいぎの味方気取りかあー!!!!チビがぁー!!!!死ねええーーーーー」
う、うるさい。
もういっそ早く殴ってくれ。
そして俺に慰謝料をくれい。
しかしそこは理性があるシャボリーマン。手は出してこない。
うわあー。そんな事してる間に次の駅で美人OLさん降りたあー。
もういい。。
とりあえず力ずくで降ろそう。
恒吉「とりあえず降りるよ、迷惑だから」
そーいって手を引っ張ると
シャボリーマン「触るんじゃねえよ!!!気持ちわりぃー!!!チビチビチビチビぃー!!!!×100」
ダメだ、こいつ覚醒して仕上がってやがる。
そのままその攻防を何駅か繰り返しているとブツブツ言いながらシャボリーマンは、すっと降りて行った。
なんだよ、あいつ。
まあ、刃物振り回さなくて良かったか。
めでたしめでたし。
って。
いや。
全然めでたくはない。
OLとのラブストーリーもおばあちゃんの優しい諭吉さんも、殴られておいしいエピソードすらもなければ、不本意にも、迷惑行為に加担してしまい周りの乗客からはきっと「あーあ、余計な事すんなよ」的な感じに思われて終わってしまった。
なんだよ今日の1日は。
そう思いながら、ぐったりしつつ電車を乗りかえると目の前に座っていたおじさんが「あいつらはスパイなんだよおー!!!」と叫び始めた。
もう一度言おう。
今日はなんなんだよ。
何かがおかしい何かが。
もう今日は俺もう無理っす。
さすがにその日はそのまま「日本人の大体がスパイ疑惑」を聞きつつ家に帰ったのでした。
めでたくねーけどめでたしめでたし。
オバ犬活動準備中!!