「コーヒーが霧になりました」Vo.恒吉
ごめんなさい。そんなにナオトさんの事、詳しくないのだけど。
この方の個人的なイメージは「麦わらのルフィ的な衣装を身にまとい、ポジティブな歌を信じられないくらいの100万ドル笑顔で歌いまくりつつ、太陽のマテ茶しか飲まなそう」であって、「男らしい」というイメージは無かったのだが。
先日知人の女性がこんな事を言っていた。
「結構ショックだったんだけどナオト・インティライミは男だった。TV見てわかった」
「へえー。そんなに男らしかったんだー?」
と聞くと、彼女はちょっと落ち込んだような苦笑いで
「うん、まあね」
と、答えた。
一体、何がショックだったのだろう。
ナオト・インティライミがTVの中で男らしさを見せたからといって、彼女の給料が下がるわけではないだろう。
ナオト・インティライミがTVの中で男らしさを見せたからといって、この世の食べ物が全て腐り果て世界が水不足の危機にさらされるわけでもない。
ああ、それともあれか。
彼女の中でのナオト・インティライミは草食系男子のようなイメージの人だったけどTVつけたら意外と男らしくて、なんかイメージと違ってショックだった的なやつか?
それならどんな男らしさをTVで放ったのだろう。
いきなり野生のライオンぶん殴って噛みちぎったとか、いきなりアイドルの胸をガシガシ「おらおらおらおらぁー」とかいいつつ揉みまくったりしたのだろうか。
そんな事をしたのなら確かにショックだ。
俺は聞いた。
「へえー。TVでどんな感じだったのー?つーか、ナオト・インティライミとか好きなんだったんだ?!」
すると彼女は言った。
「いや、実は曲もあんまり知らない。そもそも、、、」
「そもそもー?」
「ナオミ・インティライトだと思ってた」
俺はコーヒーを盛大に吹いてしまった。
彼女は、まず名前を間違っていた。そして初めてTVで実物を見たのだ。
それまでナオト・インティライミの事を女性だと信じきっていたのだ。
ナオミ・インティライト。
確かにそれならキャンベル要素のある女性アーティストを想像してしまうかもしれない。
それを聞いてからというもの。
ナオト・インティライミを見ると、どうしても架空の人物ナオミ・インティライトが頭をチラつき、何も頭に入ってこない。
きっと俺はナオミに呪われたのだろう。