野生のおばさん注意。Vo.恒吉
田舎の山道なんかに行くと。
「野生の動物飛び出し注意」の道路標識がある。
うちの近所にも、そんな感じの道路標識が必要な道があるんだよ。
スーパーマーケットと八百屋が向かい合わせにある、あの大通りに欲しい道路標識、それは。
「野生のおばさん飛び出し注意」
めちゃ、でる。
本能と目的のみで動きまわる、警戒心ゼロの野生のおばさんが。
確かにスーパーよりも、八百屋の方が野菜は安いし新鮮かもしれない。
もしかしたら、少し横断歩道まで回るには面倒くさい距離かもしれない。
いや、しかし。
多すぎる、、、数が多すぎるんだよ!
あの地帯には安い野菜と甘い果物に目の眩んだ、命知らずな野生のおばさん達が、ばんっばんっ飛び出してくるから車を運転しているこっちは、たまったもんじゃない。
たぶん「野生のおばさん出没ポイント」を把握している自分でさえ、3度は野生のおばさんをひきかけた。
しかも。野生のおばさんのメンタルは凄い。
勝手に道路交通法無視して、凄い勢いで飛び出してくるクセに!
こっちは急ブレーキかけて、積んでたCDバラバラ落としつつ、全力で命を助けたのに!
すっげえ、睨んできたりする。
よし、このままアクセル全開にして、やっぱ踏んじゃおうかなー、とか迷ってしまうが、臭いメシは食いたくないし、番号で呼ばれる生活は嫌なので我慢。
そう、そして、こっちが我慢してるのをいい事に、ブツブツ言いながら渡るのが、野生のおばさんの特徴。
つ、強い。
なんて強くて、傲慢な生き物なんだ。
しかし、命は尊い。
こちらが道を変えるか、超徐行運転で切り抜けるしかない。
だけども。
あの道を「野生のおばさん飛び出しポイント」だと知らない、ズブのトーシローが車で通ったら。
「私が死ぬわけないじゃない」と信じきってるかの如く、左右確認もせず、激安野菜めがけて真っ直ぐな瞳で道路をドタドタと飛び出してくる野生のおばさんをひき殺してしまうかもしれない。
それは、あまりにも可哀想だ。
ひいちゃった方が。
うーむ。
やっぱりあの道路には「野生のおばさん飛び出し注意」の看板が必要だ。
あと、皆、気づいてると思うけど「野生のおばさん」にはメスしかいないから、しくよろ。
なので「野生のオジサン」オスを発見次第報告します。