大会ガイドの地図をもとにコースをご説明。

地図の右手がアジア大陸で左がヨーロッパ大陸。

右上から下に至るのがボスポラス海峡。

右手に海峡をまたぐ大橋(7月15日殉教者の橋)がある。

フル、15km、8kmの三種目とも

大橋の右手、アジア側から時間差でスタート。

橋を渡ると、主として海峡沿いを地図左手に向かって走る。

15と8は途中でゴール。

フルは太線の左端まで行って、引き返し、ほぼ中央まで戻る。

イスタンブールは坂道だらけの街だが、コースはほぼ平坦だ。

晴天の日曜日、朝9時、

フルの部約4000人が一斉にスタートした。

直ぐ近くに大橋の柱が見える。

あっという間に大橋に到着。

この橋は1973年に出来た釣り橋で、長さは約1510㍍。

水面からの高さは約64㍍だ。

通常は車専用で8車線でも、しばしば渋滞する。

この大会の時はランナー専用となった。

何千人ものランナーが一気に駆け抜けたためだろう。

靴ひもを絞めなおすためしゃがんだ時、橋の揺れを感じた。

当然のこと、記念撮影に足を止めるランナーが続出。

コース最大の売り物に、いきなり遭遇する格好だ。

海峡を行く船や街のビル街が一望できる。

絶景だ。

橋を渡って振り返るとスケールの大きさが分かる。

朝日が正面にあるので、逆光。

海峡から見た大橋の威容。

大会前日に渡し船から撮影した。

右がアジア側で、左がヨーロッパ。

通過後しばらく走ると、橋の姿を振り返ることができる。

「あの橋を駆け抜けたんだ」

いい気分だった。

橋を過ぎて5km地点に着いた頃、坂道に差し掛かった。

海峡に向かう感じで広い坂道を駆け下りる。

風が涼しく、気持ちいい。

ゴールでもないのにそびえ立つアーチも国旗も真っ赤。

気持もワクワクする。

しかも、坂道の沿道は応援団ラッシュ。

色鮮やかな服装のグループが並ぶ。

旗を振り、手を振り、笑顔を振りまきながら、

ブラボー!ブラボー!!ブラボー!!!

大声援にこちらの気分も高揚する。

楽隊も繰り出した。

ブラボー!ブラボー!!ブラボー!!!

まるでカーニバル。

浮きたつ気分にあおられてオーバーペースに。

この坂が橋に続く二番目のポイントだった。

坂を下って、木立の中を通る海峡沿いの道。

給水エイドがお出迎え。

エイドは5~2.5kmに一カ所で充実していた。

しかも、水は330ミリリットルのペットボトルをそのまま手渡し。

飲んだり、体にかけたり色々と使えた。

ちなみに、エイドでふるまわれた食べ物は、

記憶の限り、リンゴ、バナナ、角砂糖だった。

道沿いに立つモスク。

いかにも、トルコの光景だ。

10km近くになると、観光名所のガラタ橋を通る。

名物、サバサンドで有名。

海峡クルーズの拠点であり、バザールも近い。

この橋の上でも、ブラボー!ブラボー!!ブラボー!!!

ガラタ橋は釣り人の多さでも有名。

この日も釣り人が糸を垂らしていた。

ガラタ橋を過ぎてしばらくすると、左手に海峡の海岸線。

広々と見渡せる海の青さが美しい。

右手にはオスマントルコ時代をうかがわせる古い城壁の跡。

長い歴史と海の広さに触れながら走る。

イスタンブールという街の特徴を垣間見た。

15km地点目前。

15kmの部の選手とはお別れになる。

彼らは15分遅れのスタートで同じコースを走ってきた。

15kmの速い選手が続々と合流し、コースは賑やかだった。

見どころ満載で、応援は熱く、そしてコースは賑やか。

そんな前半戦がここで終了し、

その後、レースの雰囲気は大きく変わった。

 

……続く……