第18回利尻島一周悠遊覧人Gの本記。

3日の午前6時少し前、
道路に一本の赤いテープが張られた。
スタートはこのテープ一本だけ。
ポストもお見送りのお立ち台もない。
質素で手作り感一杯だ。

6時の号砲を待つランナーたち。
500人規模とはいえ、それなりの賑わい。
この時点では、まだ日が差していた。

まずは畑の間を海辺に向かう。
奥に見えるのは、海岸にある岩山の展望台。

利尻島といえば、利尻山(1721m)。
最北の日本百名山で、「利尻富士」と呼ばれる。
スタート直後は、その美しい姿が見えた。
もっとも、進行方向から見て左後ろの方向。
山を見ながら走ることは難しかった。

数Km走っただけで曇り空に。
どんよりした雲の下、冷たく強い風が吹いた。
気温は16~17度のようだった。
でも、風のために体感的にはもっと寒かった。
曇り空や多少の肌寒さは走るには好条件だったが、
強い風には15km地点ぐらいまで悩まされた。
体力も予想外に消耗したようだった。

小さな島でさすがに数は少なかったが、
沿道の応援は熱心で温かかった。
「ひょっこりはん」の意味は不明。

曇天のせいだろうが、海は暗く冷たい感じ。
北海道を走ると、こんな海に出合うことが多い。
島の外周を左回りで一周したため、
目に入る風景は、
「右に海、左に原野と多少の人家」が多かった。
しかも、どちらかというとモノトーン系。
正直なところ、後半には食傷気味になった。

コース脇にあった湧き水スポット。
雨水や雪解け水が、
利尻富士を通って流れているという。
力水にしようと飲んでみた。
美味しかった。

時折はコースを外れて景色を楽しめた。
迫力のある海岸線を写真に収めるランナー。

42.195kmの表示が素っ気なく立っていた。
このころから、天候が回復傾向に。

沿道に人のいない田舎道が続く。
それだけにエイドでの温かい声がうれしい。
写真中央の少女は、
風に吹かれて揺れるテントの柱を支えていてくれた。
感謝。

残り10kmを切り、利尻山を隠す雲が消えた。
コースは運よく、山に向かって伸びる場所。
山を目指して走る気分は爽快だった。

目の前には利尻富士、足元は下り坂で軽快。
53.7kmのコース中、最高のスポットだった。

50kmを越え、最後の上り坂に。

ゴール直前では子供たちが待機し、
一人ずつランナーの伴走。

伴走の子供と手をつなぎながらゴール。
お疲れさまでした。
◇
大会の制限時間は10時間。
島の皆さん、長時間ありがとうございました。