62年生きて初めて訪れた鹿児島県与論島。
島周囲はわずか23.7kmで人口5280人。
この小島が舞台のヨロンマラソンは今年が27回目。
アップダウンの激しい厳しさと暑さに苦しんだが、
温かい人々の応援ときれいな海に応援され完走した。

空港に近い茶花海岸のスタート地点で準備体操。
前日の3日は雨風が厳しかったが、
この日はお日様が顔を出した。

私の走ったフルの参加者は340人。
ハーフを含めても合計900人だった。
スタート前もそれほど混雑はなくのんびりムード。
大会本部の発表では気温22.4度。
ただ、日光を浴びると体感温度は25度以上に思えた。
しかも、湿度は90%台。
ランニングシャツ、短パンがぴったりの気候だ。

フルは島をぐるっと回り、折り返してスタート地点に戻る。
実質的には島を二周する格好だ。
前半は右、後半は左に海を見ることになる。

10kmも走らないうちに名物の坂が登場。
遠くの坂がどんどん近づいてくる。
あまりうれしい気分ではない。

碧い海の景色に気を紛らしながら上る。

坂のてっぺんでは地元の人々がお出迎え。
上り切った坂を見下ろすと、気持ちが少し軽くなる。
帰り道はここを駆け下りればいい。

上りがあれば、下りもある。
行きの下りは帰りの上り。
時折霧が張って空気もひんやりした。
うれしかった。

南国らしくサトウキビ畑も。

折り返し点近くでランナーがすれ違う。
アットホームな雰囲気があり、
ランナー同士が激励しあう場面も多かった。
多くのランナーに「ナイスラン」と声をかけられた。

セメントで固めた距離表示をいくつも見かけた。
27回も続いてきた歴史を感じた。
それにしても、海がきれいだった。

南国らしくハイビスカスの花が咲いていた。
鮮やかな花びらにパワーをもらった。
◇
島の人々は温かかった。
爺ちゃん、ばあちゃん、お父さん、お母さん、
そして子供たち。
老いも若きも沿道で応援してくれた。

子供たちはエイドを飛び出してサービス。
つられるように足が止まり、ハイタッチや握手。
子供と手をつないで一緒に走る場面もあった。

エイドは約3kmごとにあった。
どこでもおもてなしおもてなし。
どれをもらおうか迷うほど。
ちなみに、おにぎりは二個いただきました。

温かい汁のサービスには行列も。
山羊汁、豚汁、イノシシ汁、鹿汁とそろっていた。
豚と山羊は与論島産だそうだ。

行きはイノシシ汁、帰りは写真の山羊汁を飲んだ。
たっぷり注いでくれたが、
「食べ過ぎると走れなくなる」と減らしてもらった。
食べ慣れぬ山羊の肉は普通に肉だった。
◇
関連サービスも色々だった。

前日受付で地域商品券2000円分を貰った。
私が走っている間に、家人が飲食に使ってしまった。

ランナーを対象にした川柳コンテストは恒例のよう。
42.195kmを走りながら、たっぷり考える時間があった。
優秀作に選ばれれば、
特産品がもらえるのだけれど、果たして……。
◇
与論島の皆さん、お世話になました。
ありがとうございました。