第32回NAHAマラソンは歴史的な大会となった。
この日の那覇市は最高気温28.2度。
12月としては観測史上最も暑い日となった。
しかも、湿度はスタートの9時時点で88%に達した。
大会の完走率53.2%は32回の大会中二番目の低さ。
例年にない蒸し暑さという悪条件のために、
完走できない人が続出したのは確か。
でも、完走率の低さにはNAHAマラソンならではの訳がある。
「楽しい」からだ。
語弊を恐れずに言えば、
「楽しさ色々で、黙々と走るだけではもったいない」。
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大会はフル一種目で、
参加者は2万6573人というマンモス大会。
スタート会場は中心街に近い奥武山公園、
号砲の直前には公園内の道にランナーが溢れた。
一カ月ほど前の大阪マラソン並みの混雑だった。
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スタートから数キロで目抜き通りの国際通りに到着。
観光・ショッピングの名所ランナーが占有。
2万6千人が一斉に駆け抜け、
沿道の人々が歓声を上げる。
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中心街を抜け郊外に。
それほどの急坂はなかったが、
それなりにアップダウンがあった。
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中間点を過ぎると、しばしば海辺の道へ。
青い海に広い青空は景色としてはいいが、
熱い日差しが辛い。
天気予報は曇り時々雨だったが、実際は曇り時々晴れ。
火照った体を冷やすため、
エイドの給水、シャワー、放水などを何度も何度も浴びた。
 
【楽しさ①】”鳴り物”が盛り沢山
音楽、エンターテインメントが溢れていた
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坂道を下って広い通りに出ると、
突然「ヤングマン」の懐かしいメロディーと歌声。
遠くに見えるステージ上の歌い手の合わせて、
ランナーたちが例のY、M、C、Aを歌い、踊る。
こんなパフォーマンスは初めてで驚き、思わず笑ってしまった。
後で地元の人に聞くと、毎年の恒例行事とのことだった。
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伝統楽器、エレキギター、吹奏楽、アコースティックなど
多種多様なバンド、楽団、グループが続々と現れた。
沿道のバンドのボーカルに参加し、
マイクを手に歌っているランナーもいた。
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皆さ~~ん、元気ですか~~、
残り39キロで~~す、頑張るぞー
ランナーの中で突然の野太い大声が上がり、
ランナーたちが合わせてこぶしをあげた。
愉快な”掛け声オジサン”に乗りのいいランナー。
いい雰囲気だ。
 
【楽しさ②】全部食べたら走る暇がない?
私設エイド、沿道の応援での差し入れが切れ目ない。
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沿道からは何本の手が差し出されていただろう。
こんな光景がコースの至る所にあった。
黒糖、バナナ、雨、菓子、オニギリ……
子供、お母さん、オジサン、おばあさん、おじいさん……
若男女が思い思いの差し入れを用意してくれた。
決して豪華ではないけれど、心がこもっていた。
例えば、一口サイズの小さなオニギリを、
わざわざ一つ一つラップでくるんであった。
美味しかったし、気持ちがうれしかった。
あまり立ち寄ると時間がかかるので大半は素通り。
ごめんなさい。
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流しそうめん(左)あり、牛丼(右)あり。
チキンラーメンカーもあった。
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中間地点を少し過ぎると「ひめゆりの塔」。
近くの土産物店のエイドがあった。
オニギリが美味しかったので、翌日お礼を言うと、
「初めから婆ちゃんが作り続けている」とか。
より多くのランナーをもてなすため近隣の店同士、
時間をずらしてエイドを開いているそうだ。
 
【楽しさ③】応援の人、人、人
街でも郊外でも沿道では多くの人が応援してくれた。
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中央の電柱の先に平和祈念塔に向かって、
坂を下る摩文仁地区。
道にビニールシートが引いてあるのは、
わざわざ出かけて来てくれたのだろう。
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歩道橋の上からの応援もたびたびあった。
 
◇     ◇
 
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制限時間は6時間15分。
15分は中途半端な数字だが、
この15分が無いと完走率がガクッと下がるそうだ。
3万人規模の大会としては割と厳しめの制限時間。
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ゴールの奥武山公園には仮設居酒屋が並んだ。
レース後には大賑わい。
公園の芝の上でもあちこちで打ち上げが開かれていた。
 
◇   ◇
NAHAマラソンのキャッチフレーズは、
「太陽と海とジョガーの祭典」。
競技ではなく祭典であり、
ランナーではなく、ジョガーであるところが面白い。
タイムを狙って黙々と走るのもいいけれど、
ジョギングしながら沿道の人たちと一緒に、
お祭りを楽しむのもいいじゃないか。
そんな大らかな気持ちになれる。
翌日お世話になった観光バスガイドさんは、
「走らないけれど、毎年沿道で応援するのが楽しみ」。
私も、お祭りを楽しみつつ、何とか完走の達成感を味わえた。
苦しいけれど、充実した42.195kmでした。
大会を支え、応援してくれた沖縄の皆さん、
ありがとうございました。