少し前の話だけれど、11月3日の下関海響マラソンを終えると、
JRの山陽本線と山口線を乗り継いで、山口市の湯田温泉に向かった
そして、湯田温泉駅に着くと……

何と、大きな白狐の像がそびえ立っていた
高さは8メートル、重さは3トン、名前はゆう太
湯田温泉のシンボルだ
湯田温泉はその昔、白狐が入浴していたことで見つかったという言い伝えがある
そこで、白狐の湯として売り出している

温泉街を歩くと道端には何匹もが並んでいる


店先で客を手招きする子がいれば、気持ち良くお湯につかっている子もいる

公演にたたずむ親子連れもいる
そして、地元の有名人と並んでいる愛嬌者もいる

ポスターに描かれているのは、「日本のボードレール:とも言われた詩人の中原中也
1907(明治40)年に、この湯田温泉で生まれ、30歳の若さで一生を終えた
詳しくは覚えていないが、小学校か中学校の教科書で読んだ詩、見た顔は強く印象に残っている

生家の跡には記念館が建っている

ただ、記念館は改修工事中で見学できず。残念

記念館近くの公園には、「帰郷」という詩の碑が立っている
これが、私の古里だ……
実をいうと、もう50年ほど前の高校生の頃、この碑を見に来たことがある
神奈川県の川崎市からわざわざ旅してきた
確かにこんな形だった、と思う
あの当時、中也は私にとって先輩であり、あこがれの存在だった
でも、今の私からみれば、若造
歳を取ったものだ

街には、「童謡」という詩の碑も立っていた
小学校の教科書によく採用されているそうだ
ただ、私のおぼろげな記憶の詩とは違うようだ

私が泊まった宿にはこんな部屋が残っていた

部屋の前の庭
新婚の中也はどんな思いでこの庭を眺めたのだろう