2月10日(日)
福島県いわき市は日差しが予想外に暖かく、
人々の熱意が満ちた街も暖かかった。
JRいわき駅に近い中山間地域から小名浜海岸にかけて
いわき市を横断する42.195キロは感動の旅だった。
大都会のような繁華街、住宅密集地はないのに、
沿道の至る所に応援の人が集まる。
市民約33万人が広い市域に分散しているのに、
よくぞこれだけ集まってくれたと驚いた。
沿道の応援は「頑張れ」だけでなく、
何故か「ありがとう」という声もあった。
言うまでもなく、
いわき市は東日本大震災で大きな被害を受けた。
開会式の主催者あいさつでは
「力強い走りで復興を目指す市民を勇気づけてほしい」。
勝手な解釈だが、私も少しは歓迎されているし、
何かの役に立っているのかもしれない。
自分が走ることで他人に喜びや力を与えられるなら、
こんなうれしいことはない。
「体力温存のため、道の中央を走ろう」と考えていた。
でも、そんな作戦はすぐに忘れた
いつの間にか道路わきに移動し、
沿道の人たちと声を交わしたり、ハイタッチしたり、
おやつをもらったり。
走り以外の動作にもエネルギーを使った。
それが自分の走りのスタイルだと改めて思った。

大会名物、第一折り返し地点(16.5キロ)の大応援団。
地元、江名港の老若男女が集まり、
大漁旗を掲げ、吹奏楽、笛太鼓で熱烈歓迎。
1キロ手前でも音が聞こえたような感じ
こんなに歓迎されたら走り切るしかない。
… … …


開催日、10日付の地元紙一面には、
前夜祭の模様が報じられていた。
フルマラソンのエントリーは5700人という。
フルのスタートはいわき陸上競技場。
標高40メートル強の高台だった。

参加賞引換所、荷物預かり、仮設店舗などのある
スタート会場は人、人、人の賑わい。

中山間地域、市街地などを約12km走り続ると、
突然、視界が開けた。
海だ。
明るい、しかも日差しが暖か、風も大人しい、
そして見晴らしが良い。
気分は上々、足取りも順調。


それ相応にアップダウンも用意されたコース
中間点直後、いわきタワー(左の塔)がある「三崎公園」に上る。
高さは約45メートル。
そして、降りる(右の写真)。

三崎公園から小名浜港や太平洋が見渡せた
気持ちいーーーーーーーい。

約25kmで小名浜港のゴール付近に達する。
でも、通り過ぎて第2、第3折り返し地点に向かう。
42.195kmにするための迂回だろうが、
折り返し地点が遠いこと、遠いこと。
しかも、お日様が昼休みのようで少し寒くなった。
正直、心が折れそうになった。
そんな時、坂道で少女たちが、
「頑張れ」「頑張れ」と踊りながらの大声援。
一所懸命応援してくれているのに期待を裏切れない。
歯を食いしばり、笑顔で「ありがとう」。
そして足を動かす。


何とか第2折り返し地点(33キロ)にたどり着く。
すると、みそ汁、お汁粉(なんと餅付き)、
レモンティーという温かさ三連発のおもてなし。
体も心も一気に暖まって、
最後の10キロを無事乗り切った。
ゴールが見えると、
声援にも乗せられて華麗なるスパート。
(それほど力が残っているなら、
もっと速く走れ、といつも反省しています)
ゴールでは「フラガールのふるさと」らしく、
”フラマダム”にレイをかけてもらった。
今回も給水・トイレ以外は足を止めず、
制限時間以内に完走なので自分的には勝利。
フルの通算成績は6勝2敗になった。

大会プログラムに何気なく添えられていた
一枚のパンフレット。
津波など災害発生時の避難場所が、
マラソンコースに沿って記されていた。
いわきでは大震災の脅威が、
今でも過去のモノになっていない。