
10月27日(土)
佐々木譲著、文春文庫。
妹の仇を打つために来日したロシア人女性、ターニャ、
そして彼女に旅行ガイドとして雇われただけなのに事件に引き込まれる日本人男性、卓也。
ターニャが仇のやくざを殺害し、やくざ、所属のマフィア、警察との間を闘争する物語。
卓也は元々無関係だが、いつしかターニャの逃走を助けることに……。
スリルとサスペンスのあふれるエンタテインメント。
文庫本570ページに及ぶ長さながら、手持ち無沙汰な病院のベッドで一気に読んでしまった。
さすが、佐々木譲、この手の作品は手慣れたものだ。
ただ、佐々木譲というと、
ベルリン飛行指令からエトロフ、ストックホルムにわたる例の「戦争三部作」の感動を思い出す。
そして比較し、物足りなく感じてしまう。
三作の壮大なスケール、躍動感が忘れられない。