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10月20日(土)
いわゆる”食べるラー油”ブームの火付け役になったのは、「石垣島ラー油」だという。
その石垣島ラー油を商品化した実在の夫婦をモデルにした物語。
石垣島の綺麗でゆったりした風景の中で心温まるほのぼのとした作品になっている。
 
夫は中国人の元カメラマン、妻は日本人の元フリーライター。
こんな夫婦がぶらり立ち寄った石垣島を気に入って住み付き、
唐辛子など島の産品で作った独自の石垣島ラー油を作り上げる。
よそ者である二人が老人をはじめとする島の協力を得ていく過程がいわば縦軸。
夫婦が絆を深め、やがて夫の中国人が帰化を目指すという夫婦の物語が横軸。
この二つの軸の交わるところに石垣島ラー油がある。
そして、夫の帰化と同時に二人は「辺銀(ペンギン)」という苗字を選んだ。
何故、ペンギンなのかがちょっと面白い。
 
現実はかなりの紆余局曲折があっただろう。
「プロジェクトX」風に描けば、山あり谷ありのドラマチックな展開にできたと思う。
でも、この作品は過度な演出を抑え、全般にゆったり、穏やかな雰囲気に仕上げている。
作中に相次いで登場する様々な料理が皆、実にうまそうだった。
観終わって心の優しくなる映画である。
 
この映画を観るため、東京・新宿の武蔵野館に出かけた。
館内の雰囲気は変わらず、うれしかった。
こういう作品を発掘、上映してくれる館が健在なのは有難い。