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6月9日(土)
1914年、日本の植民地統治下にある朝鮮に渡って朝鮮の風土や人々を愛した実在の人物をモデルにした作品。
山梨県出身の林業技術士、浅川巧(1891~1931年)は、
朝鮮の山に緑を取り戻すために植林に取り組むなかで一人の朝鮮人との友情を温めていく。
支配する国される国という立場を超えた二人の友情を日韓の歴史とからめて描いた。
 
日本が朝鮮半島を植民地化し、日本の敗戦が朝鮮の独立だったという歴史的事実。
植民地支配の不当性はこれまでも度々描かれてきた。
ただ、この作品はマクロの面から民地支配を批判するのではなく、
浅川巧という一人の人物の生き方を前面に出している。
観る者に対して「植民地支配をどう考えますか」と問いかけるのではなく、
「あなたは一人の人間としてどう生きるのですか」と問いかけている。
その迫力がずしりと胸に響き、見応え十分だった。
 
主演の吉沢悠は個人的に注目している俳優。
これまでも、広島に残る原爆の傷跡を描いた「夕凪の街 桜の国」(2007年)、
沖縄でサンゴの養殖に取り組んだ人物を描いた「てぃだかんかん」(2010年)、
大分県で茶づくりに取り組む女性を描いた「種まく人 みのりの茶」(2012年)
などでの演技に好感を持っていた。
今回も含めいずれも「方言を喋る好青年」つまり田舎の気の良いお兄さん的なイメージが強い。
彼にとって今回の作品は代表作の一つになりうると思う。