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5月21日(月)
秋尾沙戸子著。
東京・渋谷区のJR原宿駅前に広がる代々木公園。
1964年の東京オリンピック当時は世界各国の選手が宿泊する選手村だった。
そして、それ以前は第二次世界大戦後、敗戦国日本に進駐した米軍の巨大な住宅地だった。
827戸を擁する巨大なこの米軍家族住宅がエリアが「ワシントンハイツ」と呼ばれていた。
さらにたどって敗戦までは、日本軍の代々木練兵場だった。
 
本書はワシントンハイツを軸にして、前後に占領軍(米軍)が日本に与えた影響を、
様々な人々の証言や資料を基に描き出したノンフィクション。
日本に米国流民主主義・文化を植え付け、日本を影響下に置きつつ市場にしようとした米国の国家戦略から、代々木、原宿など地域の変遷、
さらに「ジャニーズ」の原点がワシントンハイツにあったことなど硬軟様々な事実、分析が興味深い。
ノンフィクションの楽しみを十分に味わえる好著だ。
 
最近、たまたま代々木公園の周りを歩いた。
都会の中にぽっかりと広がっている巨大空間は確かに奥深さがあった。