3月13日(火)
韓国で最近、大学授業料をめぐるちょっといい話があった。
 
韓国の大手日刊紙、朝鮮日報(電子版)によると、それは2月中旬のこと。
ソウル市内のK大学のC教授の研究室に50歳代の一人の男性が訪れた。
その日は大学在学生の授業料納付の締切日、あと20分で締め切りになるという時間だった。
男性は自ら学生Aの父だと名乗った。
Aは日頃まじめに授業を受けている学生だった。
 
この父親は、まだ名前も知らないC教授に対して話し始めた。
「私は事業をしていますが、経営が苦しい状態です。今100万ウォンしか持ち合わせがありません。
何とか今回の授業料が収められるようにお助けください」と。
C教授は教授生活17年目だが、学生の父兄からこのように頼まれるのは初めての経験だった。
しかし、この父親の心からの声と表情に動かされた。
助手に学生Aの授業料が未納付であることを確認させたうえで、
助手に自分のクレジットカードを手渡し授業料500万ウォンを支払うよう指示した。
父親に対しては「ご子息には絶対黙っていてくださいよ」と話し、100万ウォンを返した。
父親は「立て替えていただいたお金は絶対お返しします」と答えて立ち去った。
 
父親を見送ったC教授は、しばし涙を流した後で思った。
「100万ウォンだけを手に、会ったこともない教授を探してきたのだから、よっぽど切羽詰まっていたのだろう」。
そして、子供に教育を受けさせるため背筋が曲がるほど働いていた自分の親を思い出した。
「学生たちが親たちの理解してくれればいいのだが……」
 
A君は父親とC教授のやり取りを知ることもなく、大学に通い続けた。
 
C教授は「論文王」といわれるほど数多くの論文を発表する有名教授。
昨年12月にはK大学同窓会の学術大賞を受賞し、賞金1000万ウォンを全額、奨学金に寄付した。
2007年に同じ賞を受賞した時も賞金500万ウォンを寄付していた。
 
C教授は最近、思っている。
「学生たちは父母たちに授業料を払ってもらうことに慣れきっている。
父母たちが授業料を負担するためにどれだけ苦労しているかを考える必要があるのではないか」と。