
2月22日(水)
「9.11」同時テロで突然、愛する父を失った子供が主人公。
父が残した一つの鍵を偶然見つけ、父の何らかのメッセージをしまった場所の鍵と思い、
鍵に会う鍵穴を求めてニューヨーク中を歩きまわるという物語。
鍵の合う場所を必死に探しまわるのは、父への熱い思いがあるためだが、
同時にある種の贖罪の念があったことが最後に分かる。
ニューヨーク中を歩きまわる中で出会った人々、不思議な老人、影から見守っていてくれた母との関わりの中で、少年は前に向かって生きていく力を取り戻す。
アカデミー賞俳優のトム・ハンクスが無くなった父親、サンドラ・ブロックが残された母を演じる。
この大物俳優二人の共演を宣伝文句にしているが、二人は完全に脇役。
主人公の少年を演じる新人トーマス・ホーンが完全に作品の中心になっている。
トム・ハンクス、サンドラ・ブロックをもう少し観たいという思いがしたが、
力のある俳優が脇を固める役に徹したことで主人公が引き立った。
正直なところ、前半部分は多少の退屈感があったが、終盤に一気に盛り上がった。
「9.11」をテーマにした裏に、何らかの政治的なキャンペーン性があるかも、と心配したが、杞憂だった。
それにしても、ニューヨークは映画の舞台にして「なんと絵になる」街なのだろうか。
この作品も、ニューヨークを讃える「We Love NewYork Movie」の一つだという気がする。