2月16日(木)
新聞の広告を見て、しばし感傷に浸った。
「還暦を過ぎても、がんばれば、5年先、10年先がちがうと思う」
女優 酒井和歌子さん 62歳
笑顔の写真のかたわらに、本人の言葉としてこう添えられていた。
サントリーのサプリメントの広告だった。
あ~、もう40年経ったのか……。
当時、中学~高校生だった自分は、女優、酒井和歌子さんにあこがれていた。
テレビでは繊維関連のコマーシャルでは
「若いって何かしら ベスロン どうして胸が弾むの」とい歌声を背景に明るく笑う彼女を見て、何故か照れていた。
満員の映画館で観た若大将シリーズでは、スクリーンの彼女に胸をときめかせ、相手役の加山雄三を憎悪した。
映画・芸能関係の雑誌では、酒井和歌子という文字を探していたところ、
黒沢年男(当時の芸名)とのラブシーンの映画コマーシャルを発見してしまい嫉妬した。
今になっては信じられないが、心底あこがれていたのだと思う。
当時、彼女は20歳前後。
成人式のお祝いも含め2通ファンレターを送った記憶がある。
目白女子短期大学という学校に在籍していると知って、会いに行こうかと考えたこともあった。
自分が成人した時、彼女はまだ20代で不釣り合いではない、と自分を励ましたことも度々だった。
彼女のサイン(多分)入り年賀状が家に届いた時は歓喜した。
AKBや若いアイドルを追いかける今の少年たちほどの行動力は無かったが、
恥ずかしいくらいときめいて、精一杯もがいていた。
広告の中にある彼女の笑顔を眺めながら、あのころを自分をふと思い出した。