そうめんを食べて心機一転。

残りは下りと聞いて、気持ちよく再発進した。

目の前にあるのは広い下り坂。

蛇行する形で続く。

リラックスして体力をセーブしながら下ろう。

と、最初は気分が軽かった。

ところが、その下り坂がなかなか終わらない。

加速度がつくどころか、徐々に失速する。

こちらでも、倒木を多く目にしたが、

なんと下り坂は延々と続くこと6~7km。

こんなに長く連続する下り坂の経験は初めてだった。

やがて脚が重くなり、踏むとズシリと響く感じに。

脚の筋肉が硬直していくのが分かる。

体重以上の重圧をかけ続けているのだから当然だ。

坂が一段落したのは、鞍馬寺の門前。

正直なところほっとした。

エイドで一息入れ、叡山電鉄鞍馬駅のトイレを利用した。

鞍馬天狗の故郷を示す天狗像が駅前にある。

記念写真を撮るには、格好のスポットだ。

天狗像を過ぎると、下りも緩やかになり、平坦な場面も増えた。

ただ、脚が重く、辛くて思うように進まない。

ヨタヨタ走っていると、

沿道から「氷もってきなさい」の声。

突然、かちわり氷を渡された。

甲子園名物とまで書いてある、本格派。

そのまま脚に当てて冷やしたり、

溶けた冷水を頭からかけたり、口に入れたり。

確かに、有難い援軍になった。

下りが続く中でも、小さな上り坂もあった。

ここまでくれば、下るも上るも辛さは同じ。

残り10kmを切って鴨川沿いの道へ。

鴨川走友会さんのエイドでは、かき氷あり、冷やし汁粉あり。

さすが、冷たく甘いものが欲しいランナー心理を知っている。

ご馳走様でした。

残り5kmほどで鴨川の河川敷に。

平坦で脚に優しい土の道だが、脚が重くてなかなか進まない。

休日を過ごす家族連れやグループの姿を見て気を紛らわせる。

河川敷だけに風景の変化に乏しく、気分的にも距離を長く感じた。

走っては歩き、歩いては走っての繰り返し。

残り2kmほどの私設エイドで、

「ゴールの近くだけ走ろう」と声をかけられて苦笑い。

ゴールの賀茂大橋が目に入ると、草むらに応援団が登場。

走り終えたランナーや友人を応援する人たちだろう。

声援を受けながら、

最後の力を振り絞ってゴールラインをまたいだ。

厳しいコースの割に、ゴール前はほのぼのムード。

いかにも、市民マラソンの雰囲気だ。

名物の参加賞は、若狭名物の焼きサバ。

鯖は好物なのでうれしかった。

帰り道、賀茂大橋の上からゴールを眺める。

必死にゴールを目指す人、ゴールで待ち構える人。

そして、ランの余韻を味わう人、体を休める人。

マラソンを愛する様々な人々が時間を共有していた。

これでもアップダウンの多いマラソンは経験したが、

今回ほど長い下り坂は初めて。

それが、大きなダメージにつながった。

でも、なんとかゴールインしたことで達成感を味わえた。

山あり、谷ありでしかも長距離に渡る大会を支える皆さん。

スタッフ、ボランティア、地元関係者の皆さん、

お世話になりました。

ありがとうございました。

 

◇終り◇