皆さま、こんにちは!

OVERHEAT THE RAINBOW の なかちゃんです☆彡

 

 

節分で鬼は逃げたかと思いきや、雪に見舞われ銀世界。

夜明け前から雨垂れてぽたりぽたりと。

 

あくる朝は、通りのそこここに大小連なる雪だるま、立ち並び。

子どもたちのはしゃぎようと、見守る大人たちの苦笑いが、目に浮かぶようでした。

 

 

 

さて。

配信動画、夏目漱石「永日小品」、三回目!

アップしました!!

 

https://www.youtube.com/watch?v=dci-zqVhoAI

 

 

 

「泥棒」と題するこの小話。

 

時は明治40年代間もない頃。

舞台は「漱石山房」と呼ばれた一軒家。

生家から程遠からぬ、牛込区早稲田南町七番地。

生涯、転々と移り住まった漱石の、終の棲家となる貸家での一件。

 

 

年の瀬も押し迫った、真夜中に

しいんと静まり返る家中を

みしみし・・・

 

廊下を忍び歩く、何者か。

 

 

下女が泣いて飛び起きて

ぐっすり漱石も飛び起きて

「火事か?」

「泥棒」

「なんだ!」

飛び出す漱石、人影はなし。

 

外れた雨戸からは月の光が煌々と。

「寒い・・・」

 

 

沈黙の妻はランプかざして

「やっぱり盗られたんです」

 

「何だか急に馬鹿々々しくなった」

 

 

家の者、みんな起きて来た。

ひとつ屋根の下に暮らす、家族の多勢。

ガヤガヤと、途端に賑やかになる。

ホッとするやら、残念がるやら・・・

 

 

朝になって、警察へ届ける。

 

お正月に着る、一張羅の帯も盗られてしまい、泣きべそかくお嬢ちゃん。

 

 

「大抵はつかまらないもの」と刑事は語る・・・

「牛込には、刑事がたった三、四人しかいない」のだそうだ。

 

「自分は甚だ心細い気がした」

 

 

と、お話はこの後も進んでいくのですが・・・

 

 

 

泥棒のこの一件、後日談を

「漱石の思ひ出」(松岡譲 筆録/岩波書店)で

漱石の妻である 鏡子夫人が語っております。

 

二、三年後に、とある監獄の牢番が、

その泥棒であったと分かったそうです。

 

(もちろん、お正月には間に合いませんでしたが

牛込の刑事のお手柄といえる、のでしょうか・・・)

 

数多くの盗難に見舞われて来た夏目家にとって、「最後のもの」であった、と。

 

 

これにて、一件落着~

ベベン!

 

 

 

・・・思いのほか長くなってしまいました。

 

動画、「永日小品」 ~泥棒~

ぜひご覧くださいませ\(^o^)/

 

 

byなかちゃん