凱旋門賞3着後に禁止薬物が検出されたディープインパクト(牡4、栗東・池江泰郎)の処分が16日、フランスの競馬統括機関フランスギャロとJRAから同時に発表された。同レース3着が取り消されて失格(賞金約3400万円の支払い停止)。池江泰郎師(65)には1万5000ユーロ(約225万円)の制裁金が科せられた。JRAの処分は行われず、今後の出走については制限されない。インパクトは予定通り、ジャパンC(G1、芝2400メートル、26日=東京)へ向け調整される。
ディープインパクトの凱旋門賞3着は、失格という形で消えることになった。賞金は支払われず、管理責任者の池江泰郎師には、制裁金としては最高額である1万5000ユーロ(約225万円)が科せられた。「不正」ではなく「過失」という判断が下されたが、情状酌量の余地はなかった。
最大の謎だった禁止薬物検出の経緯は、ささいなことが発端となった。
◆なぜイプラトロピウムを使用したのか?
9月13日、ロンシャン競馬場でのスクーリング後にインパクトがせきをした。その後、同行した日本人獣医師に相談し、フランス人獣医師の処方を受けながらイプラトロピウムを購入。9月21~25日にかけ、フランス人獣医師から借りた吸入器を使用しながら症状の悪化を防いだ。イプラトロピウムは通常、24時間で体外に排出されるなどして消失する。25日を最後に使用しておらず、10月1日まで中5日あければ体内に残らないと判断、使用された。
◆では、なぜ検出されたのか?
イプラトロピウムの使用中に、アクシデントがあった。インパクトが暴れ、薬品を送り込むチューブが機器から外れた。その時に薬品が飛び散り、馬房内の敷料、馬房前に置いてあった乾草に付着。これが2度、起きた。イプラトロピウムは揮発性が低く、飛び散った後に消失するまでは長時間を要する。しかし、敷料や乾草は入れ替えなかったため、薬物が付着したままの乾草をインパクトがレース前に摂取し、その後の検査で陽性反応が出たと考えられている。
池江泰郎師は、馬が暴れたことをレース後に初めて知った。これほど大事な事実を責任者が事前に知る態勢が整えられていなかった点を含め、世界が注目する大レースに挑む馬を管理する立場として不注意だったことは否めないだろう。
同師は「事実を真摯(しんし)に受け止め、責任者として深くおわびしたい。(イプラトロピウムが禁止薬物であることは)知らされていなかったが、責任は自分にある。馬が暴れて薬が飛び散ったこともレース後に知った。その時点で知っていたら、処置できていたと思う。ただ、ドーピング、不正使用は事実無根。ディープインパクトの名に恥じることは一切していない」と頭を下げた。
会見に出席した金田裕之JRA審判担当理事は「JRAとしては、処分は行わない。国内の出走についても制限はない」と話した。今後5日間はフランスギャロに対する異議申立期間となるが、池江泰郎師は「申し立てをするつもりはない」と断言した。
インパクトはジャパンCに向け調整を進めている。池江泰郎師は「スタッフの不正でこうなったわけではないが、これを教訓に、お返ししていきたい」と次を見据えた。薬物検出については一応の決着をみた。インパクトはその能力を誇示するため、26日、あらためて府中のターフに立つ。
◆イプラトロピウム 気管支の収縮を抑える作用がある薬剤。人間では気管支ぜんそくや慢性気管支炎、肺気腫などの呼吸困難の症状を和らげるために使われる。副作用として、急激なアレルギー反応が現れる場合がある。日本では動物用に流通していないため禁止薬物になっていない。JRA診療所、指定獣医師の間でも、その薬物は使われていない。一般の獣医師は個人輸入で日本で流通していない薬を手に入れることは可能だが、その輸入薬リストの中にもイプラトロピウムは入っていない。
ディープインパクトの凱旋門賞3着は、失格という形で消えることになった。賞金は支払われず、管理責任者の池江泰郎師には、制裁金としては最高額である1万5000ユーロ(約225万円)が科せられた。「不正」ではなく「過失」という判断が下されたが、情状酌量の余地はなかった。
最大の謎だった禁止薬物検出の経緯は、ささいなことが発端となった。
◆なぜイプラトロピウムを使用したのか?
9月13日、ロンシャン競馬場でのスクーリング後にインパクトがせきをした。その後、同行した日本人獣医師に相談し、フランス人獣医師の処方を受けながらイプラトロピウムを購入。9月21~25日にかけ、フランス人獣医師から借りた吸入器を使用しながら症状の悪化を防いだ。イプラトロピウムは通常、24時間で体外に排出されるなどして消失する。25日を最後に使用しておらず、10月1日まで中5日あければ体内に残らないと判断、使用された。
◆では、なぜ検出されたのか?
イプラトロピウムの使用中に、アクシデントがあった。インパクトが暴れ、薬品を送り込むチューブが機器から外れた。その時に薬品が飛び散り、馬房内の敷料、馬房前に置いてあった乾草に付着。これが2度、起きた。イプラトロピウムは揮発性が低く、飛び散った後に消失するまでは長時間を要する。しかし、敷料や乾草は入れ替えなかったため、薬物が付着したままの乾草をインパクトがレース前に摂取し、その後の検査で陽性反応が出たと考えられている。
池江泰郎師は、馬が暴れたことをレース後に初めて知った。これほど大事な事実を責任者が事前に知る態勢が整えられていなかった点を含め、世界が注目する大レースに挑む馬を管理する立場として不注意だったことは否めないだろう。
同師は「事実を真摯(しんし)に受け止め、責任者として深くおわびしたい。(イプラトロピウムが禁止薬物であることは)知らされていなかったが、責任は自分にある。馬が暴れて薬が飛び散ったこともレース後に知った。その時点で知っていたら、処置できていたと思う。ただ、ドーピング、不正使用は事実無根。ディープインパクトの名に恥じることは一切していない」と頭を下げた。
会見に出席した金田裕之JRA審判担当理事は「JRAとしては、処分は行わない。国内の出走についても制限はない」と話した。今後5日間はフランスギャロに対する異議申立期間となるが、池江泰郎師は「申し立てをするつもりはない」と断言した。
インパクトはジャパンCに向け調整を進めている。池江泰郎師は「スタッフの不正でこうなったわけではないが、これを教訓に、お返ししていきたい」と次を見据えた。薬物検出については一応の決着をみた。インパクトはその能力を誇示するため、26日、あらためて府中のターフに立つ。
◆イプラトロピウム 気管支の収縮を抑える作用がある薬剤。人間では気管支ぜんそくや慢性気管支炎、肺気腫などの呼吸困難の症状を和らげるために使われる。副作用として、急激なアレルギー反応が現れる場合がある。日本では動物用に流通していないため禁止薬物になっていない。JRA診療所、指定獣医師の間でも、その薬物は使われていない。一般の獣医師は個人輸入で日本で流通していない薬を手に入れることは可能だが、その輸入薬リストの中にもイプラトロピウムは入っていない。