2005年6月中旬......
どうにか2度目の通称(独居房)の生活を耐え抜いたJの姿があった!
もうあの部屋にだけは、2度と入りたくない思いである!前の時に紹介した、実家にある(県立病院)
の時と同様にその時がやって来た!(大部屋)への移動......
やはりこの時もまた、(好奇な視線)が一層に降り注がれた!まるで(人生を捨てたヒーロー)を
見るような眼差しで、新しく入って来た者には皆、興味津々なようだった!
(看護師)に促され、一つの(大部屋)に案内された!そこは、以前入院した実家の(県立病院)の
(大部屋)とあまり変わらず、違っていた事と言えば、そこで生活している(患者)が以前とはまったく違う(病気)で入院していると言う事だった!(アルコール依存症)........
この時初めて同じ(病)で苦しんでいる、(患者)と出会う事になる!なんだか奇妙な気持ちになったのを覚えている!今まで自分一人しかこの(アルコール依存症)と言う病気を体感している者が、周りにはいなかっただけに、ここの(連中)にJ自身興味を抱いていた!
後から聞いたのだが、Jが移された病棟は主に(アルコール依存症)や(うつ病)の類の病状を持つ患者
が、入院生活を送る場所に、移されたらしい!まさにJにとって適した場所だったと言える!
しかし、この(大部屋)に移った当初!(酒)の方は完全に抜け切っていたのだが、逆に(うつ病)の方が表面化しており、常に(命)と言うものを(軽率)に考えていた!不思議と(酒)は飲みたいと思わずに、ただただ!自分を(責めて)いた!(なんで生きているんだろう?)......
そんな時一人の(アルコール依存症者)が声をかけて来た!(どうしたの?)(まだ若いのに(酒)で入院したのかい?)(コーヒーを一緒に飲まないか?)正直何も言い返す力がなく、ほっといて欲しかったのだが、話かけられて行く内に次第に(氷のように凍った心)が溶け出して行くのがわかった!
(何て優しい人なんだ.......)今まで忘れかけていた感情だった!(人の優しさ!)
話を聞いていく内にこの初老の男性は(K氏)と言う方で凄く印象的だったのが、(私は7年間どうにか飲まずに、やって来れたよ!今回の入院は脳が、以前アルコールを飲んで萎縮した為、脳の萎縮が気になって入院したんだ!)との事だった!Jはこの時初めてこの人のようになろうと心に誓ったのと同時に
この(K氏)とはなるべく話をして今後の(断酒生活)に役立てて行こうと思った!
そう!この(K氏)との出会いからようやく自分が(アルコール依存症)だと言う事を(認めた)瞬間でもあった!しかもこの岩手県の(花巻市)にある病院はアルコール依存症にもっとも適した病院だと言う事も次第に分かって行く!今現在その病院がどういった、病院になっているのかは、定かではないが、Jが入院していた頃は、(看護師)さん達も人間味溢れる人達で、1週間の日程も組まれており、
殆んどが、(自分はアルコールに対して無力な存在......)と言う事を徹底的に(勉強)させられ、
たまに(ビデオ鑑賞)と言う日もあるのだが、そんな気の利いた(娯楽ビデオ)ではなく、(ビデオ)の内容も(アルコール)に関連した、学習ビデオだったりと、今でこそこの様な(病院)が必要である!と思わさせるような、非常にいい(病院)に入院で来た事に対して感謝している!
物語もいよいよ佳境に近づいていく! つづく!