親鸞(しんらん) 上・下巻
五木寛之

浄土真宗の開祖である親鸞の半生を描いた作品です。

【上巻】
公家の家に生まれ幼くして叔父の家に預けられ窮屈な生活を強いられているところから話が始まります。比叡山に入るまでがいくつもの試練を乗り越え、9歳で出家し修行僧として難行に耐え抜いたが修行に限界を感じて山を降りるところまで描かれています。

若き日の親鸞が極限まで突き詰め限界を感じ苦しむ姿や、欲と葛藤する姿は人間らしさが出ていて良かったです。後半の年齢設定が今の自分と同じ29歳であった事もあって等身大の自分と見比べながら読んでいました。もちろんフィクションではありますがここまで純粋に物事を追い求められる事が羨ましかったです。

【下巻】
比叡山を降りた後に法然に弟子入りして念仏を広めるが、あることをきっかけに念仏が禁止となり一門は解散して法然は土佐へ親鸞は越後に流罪になるところまで描かれています。

下巻では妻帯をし庶民のための教えを広め肉食も行うなど人間らしさを求めている姿がありました。
鎌倉時代にかけて多くの人が生きるために悪事を働き、生きて地獄死んでも地獄と信じられた世相に念仏を唱えれば極楽浄土へ阿弥陀様が連れて行ってくれるという教えは、当時の人にとって希望を与えるものであったのだと思いました。