「玉村警部補の災難」
  海堂 尊

チームバチスタシリーズのスピンオフ小説がついに出ました!強引なロジック展開と隙の無い動きをする警察庁のデジタルハウンドドッグこと加納警視正と桜宮署の玉村警部補の迷コンビが難事件を解明していきます。4つの話からなる短編小説集で海堂尊らしい医学と物理を応用したトリックはいつでも新鮮味があって引かれてしまいます。

「東京23区殺人」
チームバチスタシリーズの「イノセントゲリラの祝祭」の焼き直しだったのでちょっと残念でした。加納警視正がベンツのオープンカーを200キロでかっ飛ばして田口先生を強引に送り届けたのは面白いです。田口先生の叫びはナイスです!

「青空迷宮」
犯人はすぐに分かってしまったのですが、密室殺人のトリックが分からなくて最後まで読んでいくと「なるほど!」と納得できました。加納警視正の強引なロジック展開で犯人を落とす様は獲物に喰いついた猟犬そのものでした。

「四兆七千万分の一の憂鬱」
加納警視正と犯人の知能戦でした。簡単なやり方で科学捜査の根底を覆す事ができるから、過信してはいけないというメッセージが込められていましたね。玉村警部補の意外な趣味も判明しますよ。

「エナメルの証言」
少しヒールな領域の話でしたが、強引に玉村警部補を連れ出したり、田口先生に無茶振りしているやりとりが面白かったです。「不倫外来」と言われ田口先生が抗議してもスルーされるのは田口先生らしさが出ていました。

白鳥さんが東京23区殺人事件で少ししか出て来なかったのは残念でしたが、加納警視正でも主役級の働きはできるということが分かりました。

しかし田口先生は加納警視正にもこき使われているとは・・・副題は「田口講師の災難」でも充分ですよ。