昔の日本人は凄かった!
歴史の授業も年号の暗記じゃなく、歴史に誇りを持てるものにしてくれたらよいのに。
それはさておき、幕末に田中久重という今でいう技術者がいた。時計職人といってもよいかも
しれない。本人は「万年自鳴鐘師」と号していたようだ。(自鳴鐘=自動時計)
時計より、「弓曳き童子」のからくり儀右衛門の名の方が有名かもしれない。
彼が3年の歳月を費やし、職人のプライドに賭けてほぼ1人で造った万年時計(和時計)だが、
時計の機能だけでなく、
・京都からみた太陽と月の動きを表示(天文盤)
・動き出すと1年間は止まらない。(ぜんまい式)
・四季に応じて、夏至や冬至など時間間隔を自動で調整
というおそるべき機能を持っていた。
「四季に応じて・・・」を補足すると、ご存知のとおり夏至と冬至では昼の長さが変わる。
昔の時刻は、昼と夜の長さを等分して時刻を数えているため、夏と冬で例えば1時間の長さが
変わってしまう。
彼の和時計では「文字盤の間隔」を夏は大きく、冬は小さくなるよう、しかも自動で行える
ようになっているのがミソである。
現代の最高峰レベルの時計職人がしくみを解析したところ、歯車を使ってこれらの機能を
実現していた模様。(Youtubeの動画を参照)
彼のその後だが、明治維新を経て田中製作所という会社を作った。
これが現在の東芝というオチ。
ちょっと長いが興味のある人はぜひ。
万年時計の謎に挑む