味噌、ときどき、塩。最近は横浜家系。

味噌、ときどき、塩。最近は横浜家系。

何処にでも居る迷える大学生だった筆者は、数年後いつの間にか社会人になりました。
しかしながら、未だ迷い続けています。

一年の殆どを海外で過ごし、たまに日本に帰って来ています。
生活の基盤が欲しい。

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2015年末頃、ベトナム駐在からの一時帰国を使って北海道旅行。

アジアの果てでの不便な生活から一時的に解放され、気持ち気が大きくなっていたこともあり、大人の世界を覗いてみようと札幌の鮨屋の予約を試みる。(わざわざ国際電話で札幌に電話をかけたのだからそれなりに用意周到。)

何軒か電話をして幸運にも予約が取れたのは、すし善、鮨一幸、の2店。
あとから詳しく調べて知ったことだが、どちらも札幌屈指の名店だとのこと。

人生初の回らない鮨屋となったすし善。
料亭のような外観に「自分のような若造が、しかも単騎で、来るべき場所でなかった」と後悔しながらも、入店。
想像以上に静まり返った店内と立派な白木のカウンターに更に後悔が増す。中年の紳士淑女が静謐さを守りながら上品に二人、鮨を食べている。
メニューなどは当然なく、カウンターの反対側に立った大将と思しき人は、こちらを値踏みするような視線。
(おそらく完全な自意識過剰、だって赤身か白身か!位しかわからないガチの素人ですから、それはもう緊張するんですよ。あたかも慣れてる風に「お任せしますので。」ってボソッと言おうと思ってたのに、実際に取った行動は「黙ってやたらと手を拭く」でした。はい、コミュニケーションスキルに問題あり。)

追い討ちを掛けるように、「やっぱりこの時期のシシャモは美味しいねえ、やっぱりムカワですか?」と御隣の紳士。
そうなんですか?シシャモって冬なんですか??旬とそうでないのは何か違うんでしょうか??ラーメンは年中美味しいですけど??っていうかムカワってなに。
「はい、ムカワ産で御座います。」
この辺りで、もともとゼロだった自信はマイナスに振り切れ、手を拭くこともやめ、大人しく言いました。

「申し訳ありませんが、魚の名前すら殆ど知りませんので、一通り色々出して下さい。名前や産地も教えてくれると大変助かります。」

···········

嗚呼、終始あの雰囲気には馴染めなかったけど、
鮨、美味しかったなあ。
大将、厳しさの中に優しさが垣間見えたなあ。


今まで食べていた「美味しい回転寿司」は一貫目にして跡形無く粉砕されて、
「た、高い鮨ってこんなに美味いのか。。」
っていう感動だけが残ったのでした。財布の二万円と引き換えに。

P.S.
後日、ムカワとは鵡川であり北海道のシシャモの名産地であると知りました。今年の冬には他店で鵡川産のシシャモ頂きましたが、肉厚で大ぶりなのでシシャモというより他の何らかの魚を食べているような感覚。極めて美味です。(味はシシャモですよ。)
お店の対応には何ら問題はなく、というより良かったです。ただ初めてだったので勝手に排他的な雰囲気を感じたというだけ。