●2016年6月下旬

 

最初に下腹部の異変に気付いたのは、病院にかかる2週間ほど前のこと。

普段通りに過ごした夜、お風呂上りにしゃがんだ姿勢から立ち上がったところ、突然謎の腹痛に襲われた。といってもそれほど強いものではなく、「何か変なものでも食べたかな」程度に思っていたのだが……

 

だんだん痛みにかわって、吐き気がこみ上げてきた。

それはノロウイルスに罹患したときの、マーライオンのように嘔吐したトラウマを思い起こさせるような猛烈な吐き気で、しばらく洗面台の前で身動きが取れずにいた。(全裸で)

動悸も激しく、頭がクラクラするような感覚があったので、「脳貧血か?」と思いながら何とか吐き気をこらえ、着替えをして自室へ。

 

1~2時間ほど横になって安静にしていてもなかなか吐き気は収まらず、原因を探るべくスマホで症状を検索。

いろいろ調べてみると、やはり脳貧血の症状が近いように思う。

「脳貧血かー。でもこんなに長く症状が続くものなのかな」と疑問に思いつつも納得していると、そのうち便意をもよおすようになった。

吐き気の隙をついてトイレにいき排便をすませると、みるみるうちに吐き気はおさまり、体調は元通りになった。

 

ほっとしながらベッドに横になり、何気なくお腹に手を当てたところ……

……? 違和感があった。

へその下の部分が、妙に張ってるような。

仰向けの姿勢で裾をまくってお腹を見てみた。

 

 

なんかぽっこりしてる……!?

明らかに下腹部中央が、半円状に盛り上がっていた。

触ってみると、適度に弾力がある。

「あれー? 前からこんなんだったっけな……?」と首をかしげつつ、その時点では特に焦ることもなく。

 

内臓下垂かな? 生理前(10日前)だから張ってるのかな? と勝手に自己診断をし、とりあえず生理が終わるまで様子を見ることにしたのだった。