走れメロス (NHK 10分解説動画

こんなに 「ハードボイルド」な物語があるだろうか?By のりちゃん


小説『走れメロス』の舞台は、紀元前のギリシャ時代、イタリア南部のシチリア島にある都市です。ここに伝わる古い伝説が物語のモチーフになっています。主人公は、村で羊を飼って暮らしている若者メロスです。人一倍正義感が強く、人を疑うこととうそをつくことを何よりも嫌っています。物語は、メロスが40km離れた町を訪れる場面から始まります。妹の結婚式のための買い物が目的でしたが、もう一つの楽しみは、親友セリヌンティウスとの2年ぶりの再会でした。


ところが、訪れた町は以前に比べすっかり活気を失っていました。不審に思ったメロスは道で老人をつかまえ、理由を問いただします。人を信じられない王が、妹むこ、自分の子、妹、妹の子と、次々に人を殺していることを知ったメロスは激怒。親友のセリヌンティウスを訪ねることも忘れ、王を暗殺しようと、たった一人で城に乗りこみます。しかしたちまちとらえられ、王の前に引き出されてしまいます。


とらわれたメロスは、妹の結婚式を挙げるために、処刑の前に三日間の自由が欲しいと王に申し出ます。しかし王は、帰ってくるわけがないと、とりあいません。そこでメロスが人質として差し出したのが、親友のセリヌンティウスでした。セリヌンティウスは、メロスが帰らなければ身代わりに殺されるという立場を突然知らされます。王の前で、メロスから事情を聞いたセリヌンティウスは無言でうなずき、メロスをひしと抱きしめます。
無言でとらわれ、待つ身となった友セリヌンティウス。一方、メロスは自由の身となり、城をあとにします。メロスは40km離れた村にもどり、大急ぎで妹の結婚式を挙げました。そして再び、友が待つ城をめざします。期限はあとわずか。日が沈むまでにもどらなければなりません。しかし、荒れくるう川、おそいかかる山賊(さんぞく)、行く手をさまざまな障害がはばみます。そして暑さと疲れが限界に達したとき、最大の敵が現れます。それは、自分自身の弱さでした。力尽きたメロスは、走ることをあきらめかけます。


自分に負けそうになっていたメロス。しかし、再び力をふりしぼり、セリヌンティウスが待つ城をめざして走りつづけます。日没まであとわずか。王に殺される、ただそのためだけにメロスは走りつづけます。そして日没直前、間一髪、城にかけこみました。再会を果たした二人の友。メロスは、途中、一度だけ友の信頼を裏切りかけたことを告白し、涙をうかべながら、「わたしを殴れ」と言います。

出典 
10min.ボックス 現代文
走れメロス(太宰治) NHK。


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