解読不可能な「心」の記号化。
生まれてから21年間の間に、僕は100冊も本を読んではいなかった
と思います。
学生生活最後の年を有意義に過ごす為に打ち立てたこの
「一年間で100冊読むぞキャンペーン――文学青年への道」は
僕のこれまでの生涯を凌駕する企画だったのです。
その企画も今日、終わりを迎えます。
締め括りの本は以下の通りです。
◎◎◎氷壁
井上靖:著
◎もし僕らの言葉がウイスキーあったなら
村上春樹:著
○マイロストシティ
S.フィッツジェラルド:著 村上春樹:訳
△アポロ13号世紀の帰還
ヘンリー・クーパーJr.:著 立花隆:訳
◎7つの習慣
スティーブン・R・コヴィー:著 ジェームス・スキナー 川西茂:著
以上、小計5冊
合計 100冊
最後が研修用の本かよ(゚ロ゚;)
無計画に読んでたのが仇となりました…。
でも、かなり面白いですから社会人の方は是非一読を。
ところで最後の最後で素晴らしい本と巡り合えました。
井上靖の『氷壁』です。
宮本輝のような素晴らしい構成力、文章力。
ドラマチックでありながら限りなくリアル。
これが本というものなのか、という逸品です。
『7つの習慣』なんていいから社会人も主婦も老いも若きも
これを読めっ!!!
さて、そんな感じで僕は少しだけ、ほんの少しだけ文学青年に
近づいた訳ですが、それはたくさん本を読んだからではありま
せん。
僕は僕なりの「本の哲学」を持つようになったからです。
僕の読書に対する姿勢は、暇つぶしであり、娯楽でもありますが、
何より「心を学ぶ」ことにあると気付きました。
読書を通じて、登場人物の心に触れ、作者の心に触れ、何かを学び、
感じ取っていくことが楽しいのです。
キャラクターの心に触れるとその深さに心打たれる宮本輝。
恐るべき感性の秘密が知りたくて、話よりも著者に興味を持った村上春樹。
哲学というものを世界で一番平易に教えてくれた嶽本野ばら。
彼らの、そしてまだ見ぬ師の言葉を僕は今日もワンコインで求めます。